第20回 言語聴覚士国家試験 第100問
小児聴覚障害第20回
視覚障害と聴覚障害を併発し得る疾患でないのはどれか。
- 1.ダウン症
- 2.CHARGE症候群
- 3.サイトメガロウイルス感染症
- 4.先天性風疹症候群
- 5.ペンドレッド症候群 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — ペンドレッド症候群
ペンドレッド症候群は甲状腺ペルオキシダーゼ遺伝子変異による疾患で、進行性感音難聴と甲状腺機能障害を特徴としており、視覚障害は伴いません。これに対し、1~4番の疾患はすべて視覚障害と聴覚障害の両方を併発し得る先天性疾患です。
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【各選択肢の解説】
1. ダウン症
✅ 正しい。ダウン症では伝音難聴や感音難聴、屈折異常(遠視・乱視)や斜視などの視覚障害が高頻度に併発します。巨舌により構音障害も生じやすい点も特徴です。
2. CHARGE症候群
✅ 正しい。CHDプロトイン遺伝子変異による症候群で、C(心奇形)H(口蓋裂)A(無肛門)R(網膜異常)G(生殖器異常)E(耳介異常)の頭文字を示します。網膜異常を含む視覚障害と、耳介異常に伴う聴覚障害(特に伝音難聴)が特徴です。
3. サイトメガロウイルス(CMV)感染症
✅ 正しい。先天性CMV感染は最も一般的な先天性感染症であり、感音難聴(高い頻度)と網膜炎・光彩炎などの視覚障害(眼のぶどう膜炎)を併発し得ます。難聴が単独で生じることも多いため、新生児聴覚スクリーニング対象疾患です。
4. 先天性風疹症候群
✅ 正しい。妊娠初期の風疹ウイルス感染により、古典的3徴は白内障・心奇形・感音難聴です。白内障は典型的な視覚障害であり、感音難聴(特に高音域)との両者の併発が特徴的です。
5. ペンドレッド症候群
❌ 誤り。常染色体劣性遺伝疾患で、SLC26A4遺伝子変異により内耳の異常と甲状腺機能低下症を呈します。進行性感音難聴(思春期以降)と甲状腺腫大が主症状であり、視覚障害は伴いません。この点が他の4疾患との決定的な相違です。
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【試験対策ポイント】
| 疾患名 | 視覚障害 | 聴覚障害 | その他の特徴 |
|---|---|---|---|
| ダウン症 | 斜視・屈折異常 | 伝音難聴・感音難聴 | 巨舌・知的障害 |
| CHARGE症候群 | 網膜異常・白内障 | 伝音難聴(耳介異常) | 心奇形・口蓋裂・無肛門 |
| CMV感染症 | 網膜炎・眼内炎 | 感音難聴(高頻度) | 肝脾腫大・血小板減少症 |
| 先天性風疹症候群 | 白内障(古典的) | 感音難聴(高音域) | 心奇形・網膜症 |
| ペンドレッド症候群 | **なし** | 感音難聴(進行性) | 甲状腺腫大・ヨウ素代謝異常 |
キーポイント:視聴覚二重障害の問題では「ペンドレッド症候群は聴覚障害単独」で視覚障害は伴わない点が頻出です。ペンドレッド症候群は内分泌系(甲状腺)の疾患であり、眼科的合併症がないという本質的相違を理解することが解法の鍵です。