第20回 言語聴覚士国家試験 第101問
解剖学第20回
人の細胞について誤っているのはどれか。
- 1.粗面小胞体ではタンパク質が合成される。
- 2.ミトコンドリアはATPを産生する。
- 3.核内にはDNAが存在する。
- 4.細胞膜は脂質二重層である。
- 5.細胞内で最も多い陽イオンはナトリウムイオンである。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 細胞内で最も多い陽イオンはナトリウムイオンである。
細胞内で最も多い陽イオンはカリウムイオン(K⁺)です。ナトリウムイオン(Na⁺)は細胞外液に豊富に存在します。この分布はNa⁺/K⁺-ATPaseポンプにより能動輸送で維持されており、細胞の浸透圧調整や神経伝導に重要な役割を果たします。
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【各選択肢の解説】
1. 粗面小胞体ではタンパク質が合成される。
✅ 正しい。粗面小胫体はリボソームが付着した小胞体で、分泌タンパク質や膜タンパク質がここで合成されます。滑面小胞体は脂質やステロイドホルモン合成に関与します。
2. ミトコンドリアはATPを産生する。
✅ 正しい。ミトコンドリアはATP産生の主要な場所で、酸化的リン酸化によるエネルギー代謝を行います。細胞のエネルギー供給源として機能します。
3. 核内にはDNAが存在する。
✅ 正しい。核内には真核生物のゲノムDNAが存在し、ヌクレオソーム構造としてクロマチンを形成しています。ミトコンドリアと葉緑体にも固有のDNAが存在します。
4. 細胞膜は脂質二重層である。
✅ 正しい。細胞膜(形質膜)は、脂質二重層の中にタンパク質が埋め込まれた流動モザイク構造を示しています。主要な脂質成分はリン脂質とコレステロールです。
5. 細胞内で最も多い陽イオンはナトリウムイオンである。
❌ 誤り。細胞内で最も多い陽イオンはカリウムイオン(K⁺)で、細胞外液中で最も多いのがナトリウムイオン(Na⁺)です。この濃度勾配はNa⁺/K⁺-ATPaseによって能動的に維持されています。
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【試験対策ポイント】
細胞内外の主要イオン濃度分布:
| イオン | 細胞内 | 細胞外 |
|---|---|---|
| カリウム(K⁺) | 140 mEq/L | 5 mEq/L |
| ナトリウム(Na⁺) | 10 mEq/L | 145 mEq/L |
| 塩化物(Cl⁻) | 10 mEq/L | 110 mEq/L |
頻出の細胞小器官と機能:
- 粗面小胞体:タンパク質合成(分泌・膜タンパク質)
- 滑面小胞体:脂質・ステロイド合成、Ca⁺ 貯蔵
- ゴルジ体:タンパク質修飾・分泌
- ミトコンドリア:ATP産生(酸化的リン酸化)
- ライソソーム:消化酵素含有(細胞内分解)
- リボソーム:タンパク質合成(粗面・滑面・遊離)
ST国試では「細胞内K⁺が多い」という知識は嚥下・神経生理学の問題にも波及します。