STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第113問

高次脳機能障害第20回
頭頂葉病変と最も関係が深いのはどれか。
  1. 1.発動性低下
  2. 2.把握反射
  3. 3.皮質盲
  4. 4.半側空間無視 ✓
  5. 5.黄斑回避を伴う同名半盲

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 半側空間無視 頭頂葉は注意・空間認知を司る領域であり、特に右頭頂葉損傷によって対側(左側)の刺激に対する注意障害が生じます。半側空間無視は頭頂葉病変、特に右劣位半球の頭頂葉後部損傷で最も典型的に出現する症状です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 発動性低下 ❌ 誤り。発動性低下は前頭葉(特に前頭連合野・前運動野)の損傷で生じる症状です。意欲や行動開始の障害であり、頭頂葉病変ではみられません。 2. 把握反射 ❌ 誤り。把握反射は前頭葉の補足運動野(SMA)損傷で出現する原始反射です。頭頂葉病変では通常みられない症状です。 3. 皮質盲 ❌ 誤り。皮質盲は後頭葉(視覚皮質:Brodmann17野)の両側損傷によって生じます。頭頂葉ではなく後頭葉が責任部位です。 4. 半側空間無視 ✅ 正しい。半側空間無視は、脳損傷(特に右頭頂葉後部)により対側の空間における視覚的・聴覚的・身体的刺激に対する注意が障害される症状です。頭頂葉は空間認知と注意の統合に重要な役割を持つため、最も関係が深い症状です。 5. 黄斑回避を伴う同名半盲 ❌ 誤り。同名半盲は視覚路(外側膝状体~視覚皮質)の損傷で生じ、黄斑回避(黄斑領域は両眼視野で二重支配されるため)は後頭葉病変の特徴です。頭頂葉病変ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 脳損傷による高次脳機能障害の責任部位整理: | 症状 | 責任部位 | 備考 | |---|---|---| | 発動性低下・無動無言 | 前頭葉(前頭連合野) | 意欲・行動開始障害 | | 把握反射・開口反射 | 前頭葉(補足運動野SMA) | 原始反射の出現 | | 実行機能障害 | 前頭葉背外側野 | 計画・推論障害 | | 失語症(Broca型) | 下前頭回(Broca野) | 表出障害 | | 半側空間無視 | 右頭頂葉後部(特に優位) | 左側刺激への注意障害 | | 失認(物体認識障害) | 頭頂葉~側頭葉 | 感覚障害なく認識困難 | | 皮質盲 | 後頭葉(V1視覚皮質) | 両側損傷で出現 | | 失読失書 | 頭頂葉(角回周辺) | 読み書き特異的障害 | | Wernicke失語 | 上側頭回後部 | 理解困難 | 頭頂葉損傷の関連症状(一側性=対側に出現): - 半側空間無視(最頻出) - 半側空間失認 - 相貌失認(両側頭頂葉) - 構成失行・着衣失行
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