第20回 言語聴覚士国家試験 第121問
耳鼻咽喉科学第20回
詐聴の検査として用いられないのはどれか。
- 1.遅延側音検査(遅延再生言語検査)
- 2.ロンバール(Lombard)検査
- 3.ステンゲル(Stenger)検査
- 4.SISI検査 ✓
- 5.自記オージオメトリ
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — SISI検査
SISI検査は詐聴検査ではなく、感音難聴の性状評価(特に内耳障害の有無判定)を目的とした検査です。一方、他の4つの検査はすべて詐聴(非器質的難聴)を検出するために設計されています。
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【各選択肢の解説】
1. 遅延側音検査(遅延再生言語検査)
❌ 誤り ではなく、✅ 詐聴検査として有用。検査者の音声を被検者に聞かせながら、その音声を遅延させて(0.2秒程度)フィードバックすると、詐聴者は正常な発話ができなくなり、くり返したり詰まったりする特異的反応が出現します。
2. ロンバール(Lombard)検査
✅ 詐聴検査として有用。背景雑音を提示しながら会話させると、詐聴者は無意識に音量を上げます。一方、真の難聴者は雑音下でも音量変化が小さいか工作的です。Lombard効果を利用した古典的かつ実用的な検査。
3. ステンゲル(Stenger)検査
✅ 詐聴検査として有用。両耳に異なる周波数の音を提示して、片耳の難聴を詐称する患者を検出します。詐聴者は一側性難聴を偽ろうとして矛盾した反応を示すため、詐聴が露呈されます。
4. SISI検査
❌ 詐聴検査ではない。SISIは「Small Increment Sensitivity Index」で、基音に対して1dBずつ段階的に増音させて感度を測定し、内耳障害(蝸牛障害)を診断する検査です。補充現象の評価が主目的で、詐聴検出には用いられません。
5. 自記オージオメトリ
✅ 詐聴検査として有用。被検者が自ら聴取閾値を記録させると、詐聴者は検査者が意図していない不規則な反応パターンを示します。記録された曲線の不規則性や矛盾から詐聴が推測できます。
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【試験対策ポイント】
詐聴検査と性状検査の区別表:
| 検査名 | 目的 | 詐聴検査 |
|---|---|---|
| 遅延側音検査 | 発話時のフィードバック遮断で詐聴露呈 | ✅ |
| ロンバール検査 | 雑音下での自動音量調整反応 | ✅ |
| ステンゲル検査 | 両耳刺激での片耳詐聴露呈 | ✅ |
| SISI検査 | 補充現象評価(内耳障害判定) | ❌ |
| 自記オージオメトリ | 記録曲線の矛盾パターン検出 | ✅ |
キーワード:SISI=感音難聴の「性状判定」(詐聴検査ではない)