第20回 言語聴覚士国家試験 第127問
心理測定法第20回
調整法について誤っているのはどれか。
- 1.標準刺激と比較刺激を呈示した際に調整するのは標準刺激である。 ✓
- 2.刺激の調整は、実験参加者(被測定者)が行う場合と実験者(測定者)が行う場合とがある。
- 3.主観的等価点(PSE)の測定に適している。
- 4.実験参加者(被測定者)の虚偽反応を見破ることが難しい。
- 5.測定値は実験参加者(被測定者)の測定手続きに対する習熟度によって影響を受ける。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 標準刺激と比較刺激を呈示した際に調整するのは標準刺激である。
調整法は「比較刺激」を段階的に変化させて、標準刺激と同じ感覚になる点を被測定者に見つけさせる方法です。選択肢1は標準刺激を調整すると述べており、これは誤りです。調整法の基本的な手続き上、標準刺激は固定されており、比較刺激を被測定者が調整することで主観的等価点を求めます。
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【各選択肢の解説】
1. 標準刺激と比較刺激を呈示した際に調整するのは標準刺激である。
❌ 誤り。調整法では「比較刺激」を調整します。標準刺激は固定刺激として機能し、被測定者が比較刺激を段階的に変化させることで標準刺激と同じ感覚になる点を探ります。標準刺激を調整するのは誤った理解です。
2. 刺激の調整は、実験参加者(被測定者)が行う場合と実験者(測定者)が行う場合とがある。
✅ 正しい。調整法には2つのバリエーションがあります。被測定者自身が比較刺激を調整する場合(自動調整法)と、実験者が被測定者の指示に従って比較刺激を調整する場合(手動調整法)があります。
3. 主観的等価点(PSE)の測定に適している。
✅ 正しい。調整法は主観的等価点(被測定者が標準刺激と同じ感覚を感じる比較刺激の値)を直接測定するのに適した方法です。複数試行の平均によってPSEを求めます。
4. 実験参加者(被測定者)の虚偽反応を見破ることが難しい。
✅ 正しい。調整法は被測定者の内観報告に依存する手続きであるため、被測定者が意図的に虚偽の反応をした場合、実験者がそれを検出することは困難です。これは調整法の限界とされています。
5. 測定値は実験参加者(被測定者)の測定手続きに対する習熟度によって影響を受ける。
✅ 正しい。被測定者が調整法の手続きに習熟していると、より正確で安定した測定値が得られます。習熟度による学習効果や疲労の影響も測定値に反映されます。
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【試験対策ポイント】
調整法の基本構造:
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| 標準刺激 | 固定される(変わらない) |
| 比較刺激 | 段階的に調整される |
| 調整者 | 被測定者または実験者 |
| 測定対象 | 主観的等価点(PSE) |
調整法 vs 恒常法 vs 極限法:
| 特性 | 調整法 | 恒常法 | 極限法 |
|---|---|---|---|
| 所要時間 | 短い | 長い | 中程度 |
| 被測定者の習熟度影響 | 大きい | 小さい | 中程度 |
| 虚偽反応の検出 | 難しい | 容易 | 容易 |
| 効率性 | 高い | 低い | 中程度 |
頻出キーワード:
- PSE(主観的等価点)=標準刺激と同じ感覚の比較刺激値
- 自動調整法=被測定者が自ら調整
- 手動調整法=実験者が指示に従い調整
- 習熟度の影響=測定値の安定性に関わる