第20回 言語聴覚士国家試験 第129問
臨床心理学第20回
防衛機制でないのはどれか。
- 1.否 定
- 2.逃 避
- 3.固 着 ✓
- 4.投 影
- 5.抑 圧
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 固着
防衛機制とは、無意識のうちに心理的な葛藤や不安を軽減させるための心理的メカニズムです。固着は、心理発達の過程で特定の段階に「留まる」という発達的現象であり、防衛機制ではなく、精神分析理論における発達概念です。一方、否定・逃避・投影・抑圧はすべて無意識の防衛機制です。
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【各選択肢の解説】
1. 否定
✅ 正しい防衛機制。不安や苦痛をもたらす現実を意識的に認めず、否定する心理メカニズム。例:重い診断を告知されても「そんなはずがない」と受け入れない。
2. 逃避
✅ 正しい防衛機制。心理的に困難な状況から遠ざかることで不安を回避しようとする機制。例:対人関係の問題から物質乱用や過度な睡眠に逃げ込む。
3. 固着
❌ 防衛機制ではない。フロイトの精神性欲発達論における「発達段階の停滞」を意味する発達概念。例:肛門期に固着すると強迫的・きちょうめんな性格になるとされる。防衛機制ではなく発達理論の用語。
4. 投影
✅ 正しい防衛機制。自分が持つ不都合な思考・感情を他者に「あの人が思っている」と帰属させる無意識の過程。例:無意識の敵意を相手の敵意として知覚。
5. 抑圧
✅ 正しい防衛機制。最も基本的な防衛機制。不安をもたらす思考・感情・欲動を無意識下に抑え込む。例:心的外傷を「思い出せない」。
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【試験対策ポイント】
主要な防衛機制(6つ):
| 防衛機制 | 概要 | 具体例 |
|---|---|---|
| 抑圧 | 不安刺激を無意識化 | トラウマを「思い出さない」 |
| 否定 | 現実を認めない | 危険な診断を否定 |
| 投影 | 自分の感情を他者に帰属 | 敵意を相手の敵意として知覚 |
| 同一化 | 他者と無意識に同化 | 有名人の行動を模倣 |
| 昇華 | 本能的欲動を社会的活動へ転換 | 攻撃性をスポーツへ |
| 合理化 | 行動に後付け理由を作る | 失敗を「運が悪かった」 |
固着との区別:
- 固着=発達段階の停滞(発達論)
- 防衛機制=現在の不安への対処(防衛論)
頻出の失点パターン:
- 「固着は心理現象」と誤解して選ぶ
- 発達理論と防衛機制の区別が不明確
- 抑圧と否定の違いが曖昧(抑圧は「無意識化」、否定は「認めない」)