第20回 言語聴覚士国家試験 第146問
言語発達学第20回
即時マッピング(fast mapping)と関係が深いのはどれか。
- 1.音韻の知覚
- 2.初語の出現
- 3.語彙の急増 ✓
- 4.助詞の増加
- 5.会話方略の発達
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 語彙の急増
即時マッピング(fast mapping)は、1~2回の聴取だけで新しい語の意味を推測し、記憶する認知過程です。この能力により、子どもは限られた教示や経験から効率的に語彙を習得でき、1歳6ヶ月以降の「語彙爆発」(語彙の急増)を可能にします。即時マッピングは語彙の爆発的な増加と直結する最も重要なメカニズムとされています。
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【各選択肢の解説】
1. 音韻の知覚
❌ 誤り。音韻知覚は生後数ヶ月から発達し、即時マッピングより前に確立される基盤的な能力です。即時マッピングとは発達段階が異なります。
2. 初語の出現
❌ 誤り。初語(通常1歳前後)の出現は確実な語義理解の上に成り立ち、即時マッピングよりも高度な処理が必要です。初語は1~2回の聴取では習得できません。
3. 語彙の急増
✅ 正しい。即時マッピングにより、子どもは新しい語を少ない聴取回数で推測・習得でき、1歳6ヶ月以降の語彙爆発(月50語以上の語彙増加)を実現させます。
4. 助詞の増加
❌ 誤り。助詞は語彙(名詞・動詞など)の基盤の上で段階的に習得される文法要素であり、語彙爆発よりも後発の発達です。即時マッピングの主な対象ではありません。
5. 会話方略の発達
❌ 誤り。会話方略(ターンテイキング、修復など)は相互作用の中で漸進的に発達する社会的スキルで、即時マッピングのような語彙習得メカニズムとは別の領域です。
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【試験対策ポイント】
語彙発達の主要タイムライン:
| 時期 | 語彙数 | 出来事 |
|---|---|---|
| 6ヶ月 | 0語 | 音韻知覚確立 |
| 9~10ヶ月 | 数語 | 初語準備期 |
| 1歳 | 2~10語 | 初語出現 |
| 1歳6ヶ月 | 約50語 | 語彙爆発開始(即時マッピング本格化) |
| 2歳 | 200~300語 | 2語文出現 |
即時マッピングの定義:
- 新語を1~2回聴くだけで、他の語や文脈から意味を推測する認知能力
- Clark (1983)が提唱
- 音韻→語彙→文法 という習得順序における「語彙」段階の加速メカニズム
頻出の誤り:「初語」との混同
- 初語は「確実に同じ音・意味を反復できる語」で、推測・試行錯誤を含む
- 即時マッピングは「初回接触での推測的習得」で、確実性の段階ではない