第20回 言語聴覚士国家試験 第153問
言語聴覚障害総論第20回
スクリーニング検査で誤っているのはどれか。
a.ベッドサイド検査と同義である。
b.機器を用いないで実施できる検査のこという。
c.該当する母集団の全員が対象となる。
d.評価の初期段階に位置づけられる。
e.実際には対象疾患がない人を選別する誤りに比べ、実際に対象疾患がある人を見逃す誤りの方がより重大である。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
スクリーニング検査の定義は「母集団から対象疾患保有者を選別する初期段階の検査」です。aは「ベッドサイド検査と同義」という過度な限定であり(スクリーニングは機器も使用),bは「機器を用いない」という誤った制限です。一方,eの「見逃す誤りの方が重大」というのは疫学的に誤りです。
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【各選択肢の解説】
a. ベッドサイド検査と同義である。
❌ 誤り。スクリーニング検査はベッドサイドに限定されません。聴覚スクリーニング(新生児聴覚検査でOAE検査器など機器使用)のように,機器を用いたスクリーニングも存在します。ベッドサイド検査は場所の特性を示すだけで,スクリーニングの本質ではありません。
b. 機器を用いないで実施できる検査のことという。
❌ 誤り。スクリーニング検査は機器不要が原則ではありません。新生児聴覚検査(OAE),乳幼児の発達スクリーニング(動画提示など)のように,機器や道具を用いるスクリーニングが多数あります。
c. 該当する母集団の全員が対象となる。
✅ 正しい。スクリーニングの定義上,対象母集団(例:3歳児全員,全新生児など)の全員に実施することが基本です。選別前の段階では「対象の全員」に一次スクリーニングを行い,その後対象疾患の可能性がある者を診断検査へ進めます。
d. 評価の初期段階に位置づけられる。
✅ 正しい。スクリーニング検査は評価ピラミッドの最初の段階であり,結果に基づいて「精密検査(診断検査)の必要性」を判定します。つまり,「受診の必要性」を判定する初期段階の役割です。
e. 実際には対象疾患がない人を選別する誤りに比べ,実際に対象疾患がある人を見逃す誤りの方がより重大である。
❌ 誤り。むしろ「感度(見逃し)よりも特異度(疑陽性)を重視する」がスクリーニング検査の本来の考え方です。つまり,疾患がない人を誤って「陽性」と判定する誤りの方が許容可能で,見逃しは許容しにくい傾向があります。ただし文脈によっては逆もあるため,一般的には「感度と特異度のバランスが重要」と言えますが,スクリーニングの第一条件は「高感度(見逃さない)」です。
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【試験対策ポイント】
スクリーニング検査の定義要素:
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| 対象 | 母集団全体(地域・施設・学校など) |
| 目的 | 対象疾患の可能性者の選別 |
| 段階 | 評価の初期段階 |
| 道具 | 機器あり・なし両方可能 |
| 結果 | 「精密検査要」「経過観察」などに分類 |
| 誤り | 感度↔特異度のバランスが重要 |
aとbが両方誤っているのが正答の判断ポイント。