第20回 言語聴覚士国家試験 第154問
失語症第20回
病識に乏しいことが多い失語症型はどれか。
- 1.健忘性失語
- 2.伝導失語
- 3.ブローカ失語
- 4.ウェルニッケ失語 ✓
- 5.超皮質性運動失語
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ウェルニッケ失語
ウェルニッケ失語は受容言語(理解)の重篤な障害のため、自分の発話が不適切で不可解であることに気づかない傾向が強く、病識が乏しいことが特徴です。他の失語症型では、失語の存在を認識し、努力的な表出や改善努力を示すことが多い点と対照的です。
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【各選択肢の解説】
1. 健忘性失語
❌ 誤り。健忘性失語は命名困難が主体ですが、理解・復唱は比較的良好なため、自分が語彙を失ったことに気づきやすく、一般的には病識が保たれています。
2. 伝導失語
❌ 誤り。伝導失語は理解が保たれているため、自分の復唱困難や表出困難を認識しており、病識が比較的良好です。努力的に発話を修正しようとする様子が観察されます。
3. ブローカ失語
❌ 誤り。ブローカ失語は理解が保たれているため、自分が発話困難であることを十分に認識しており、強い病識があります。むしろ言語機能障害に対する抑うつや挫折感を伴うことが多いです。
4. ウェルニッケ失語
✅ 正しい。感覚性失語であるウェルニッケ失語は、聴理解が重篤に障害されるため、他者からの指摘や自分の不適切な発話に気づきにくく、病識に乏しいことが典型的です。自らの失語を自覚せず、自分の発話が意味不明であることさえ理解できません。
5. 超皮質性運動失語
❌ 誤り。超皮質性運動失語は理解・復唱が保たれているため、自分の発話困難を認識しており、病識が比較的良好です。
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【試験対策ポイント】
病識の有無で失語症を分類:
| 失語症型 | 理解 | 病識 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ブローカ失語 | 良好 | あり(強い) | 非流暢・努力的。抑うつ的 |
| ウェルニッケ失語 | 不良 | 乏しい → **答え** | 流暢・産出過多。自己修正なし |
| 伝導失語 | 良好 | あり | 流暢だが復唱困難に気づく |
| 超皮質性運動失語 | 良好 | あり | 復唱できるため認識可能 |
| 健忘性失語 | 良好 | あり | 命名困難を認識 |
重要な区別:「理解が保たれている=自分の問題に気づける」「理解が悪い=自分の問題に気づけない」
ウェルニッケ失語は聴覚的理解が障害される → 他者や自分の発話内容を理解できない → 病識乏しい