第20回 言語聴覚士国家試験 第156問
失語症第20回
超皮質性感覚失語で出現しない症状はどれか。
- 1.呼称障害
- 2.反響言語
- 3.書字障害
- 4.類音性錯読
- 5.音韻性錯語 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 音韻性錯語
超皮質性感覚失語では、理解障害が主体であるため「音韻性錯語」は出現しません。音韻性錯語は、主に前方失語(Broca失語など)で見られる症状です。
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【各選択肢の解説】
1. 呼称障害
✅ 正しい。超皮質性感覚失語でも命名に困難を示します。理解障害が基盤にあるため、物の意味理解が不十分で、適切な語を想起できません。
2. 反響言語
✅ 正しい。超皮質性感覚失語の特徴的症状です。復唱が比較的保持されているにもかかわらず、意味理解がないため、相手の発話を機械的にオウム返しします。これは「理解なき流暢性」を示す典型です。
3. 書字障害
✅ 正しい。超皮質性感覚失語では読み書き能力も障害されます。特に音読で意味無視が顕著となり、また書字も了解性が低下します。
4. 類音性錯読
✅ 正しい。超皮質性感覚失語では音読時に、音韻構造は保持しながらも、意味の影響を受けやすくなり、類音性錯読(例:「橋」を「箸」と読む)が生じやすくなります。
5. 音韻性錯語
❌ 誤り。音韻性錯語(例:「象」と言うべき場面で「ぞう」に似た「ぞぐ」と言う)は、主に表出障害を伴う失語症(Broca失語など)で見られます。超皮質性感覚失語は流暢性を保つため、音韻性錯語ではなく「意味性錯語」が特徴です。
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【試験対策ポイント】
失語症タイプ別の症状出現パターン:
| 症状 | Broca | Wernicke | 伝導 | 超運動 | 超感覚 | 全失語 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 流暢性 | ✗ | ○ | ○ | ✗ | ○ | ✗ |
| 理解 | ○ | ✗ | ○ | ○ | ✗ | ✗ |
| 復唱 | ✗ | ✗ | ✗✗ | ○ | ○ | ✗ |
| 呼称障害 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 音韻性錯語 | ✓ | △ | △ | ✗ | ✗ | ✗ |
| 意味性錯語 | △ | ✓ | △ | △ | ✓ | ✗ |
| 反響言語 | ✗ | △ | ✗ | △ | ✓ | ✗ |
超皮質性感覚失語の鍵:「流暢なのに理解がない」「復唱は保持」「意味的エラーが多い」