第20回 言語聴覚士国家試験 第159問
言語聴覚障害総論第20回
右片麻痺を有する失語症患者について、言語聴覚士が連携すべき職種と内容との組合せで誤っているのはどれか。
- 1.医 師 ― 予後予測
- 2.看護師 ― 病棟内でのコミュニケーション方法の検討
- 3.作業療法士 ― 左手での書字訓練
- 4.介護支援専門員 ― 失業等給付の検討 ✓
- 5.医療ソーシャルワーカー ― 退院支援
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 介護支援専門員 ― 失業等給付の検討
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、要介護・要支援認定に基づくケアプラン作成と介護サービスの調整が専門です。失業等給付は厚生労働省の雇用保険制度に関わる業務であり、介護支援専門員の職責ではなく、ハローワークやキャリアカウンセラーが担当すべき内容です。
---
【各選択肢の解説】
1. 医師 ― 予後予測
✅ 正しい。医師は患者の医学的状態を総合的に判断し、脳卒中後の機能回復の予後を予測することが重要な職責です。言語聴覚士は医師の予後予測情報をもとに訓練計画を立案します。
2. 看護師 ― 病棟内でのコミュニケーション方法の検討
✅ 正しい。看護師は患者と最も接触時間が長い職種です。失語症患者とのコミュニケーション方法(補助手段の活用、話しかけ方の工夫)を言語聴覚士と協議し、病棟内での実践が不可欠です。
3. 作業療法士 ― 左手での書字訓練
✅ 正しい。右片麻痺患者では左手が健側です。右手が回復しない可能性を視野に入れて、左手での日常生活動作(特に書字)の習得は作業療法士の重要な領域であり、言語聴覚士との連携が必要です。
4. 介護支援専門員 ― 失業等給付の検討
❌ 誤り。失業等給付(失業保険、職業訓練給付等)は雇用保険に基づく制度で、ハローワークやキャリアカウンセラーが対応する領域です。介護支援専門員は介護保険制度内でのケアプラン作成に専門性があります。
5. 医療ソーシャルワーカー ― 退院支援
✅ 正しい。医療ソーシャルワーカーは、患者の社会的・経済的問題に対応し、退院後の生活調整、福祉制度の説明、在宅サービスの連絡調整を行う専門職です。言語聴覚士との連携は不可欠です。
---
【試験対策ポイント】
多職種連携における各職種の職責の区別
| 職種 | 主な職責 | ST連携のポイント |
|---|---|---|
| 医師 | 医学的診断・予後予測・医学的管理 | 予後情報をもとに訓練計画立案 |
| 看護師 | 病棟ケア・日常生活支援 | コミュニケーション方法の実装 |
| 理学療法士 | 大動作・移動能力・姿勢 | 座位保持が音声表出に影響 |
| 作業療法士 | ADL・上肢機能・左手活用 | 書字・食事などの実用的訓練 |
| 医療ソーシャルワーカー | 福祉制度・生活調整・社会復帰支援 | 退院支援・就労支援情報 |
| 介護支援専門員 | 介護保険制度内のケアプラン作成 | 在宅介護計画の検討 |
| ハローワーク・キャリア相談 | 失業給付・職業訓練・就労支援 | 患者の就労希望時の情報提供 |
**頻出の誤り選択肢パターン**
- 介護支援専門員に「雇用保険関連」「失業給付」などの雇用制度を行わせる選択肢
- 医師に「日常生活支援」「ケアプラン作成」などの行政業務を行わせる選択肢
-