STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第171問

言語発達障害学第20回
知的障害児に絵記号を用いたAACを導入するときに考慮する事項として優先順位の低いのはどれか。
  1. 1.絵記号の大きさ ✓
  2. 2.絵記号の具象性
  3. 3.語彙の親密度
  4. 4.コミュニケーションエイドの携帯性
  5. 5.絵記号の数

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 絵記号の大きさ 知的障害児へのAAC導入では、コミュニケーション機能を回復させることが第一の目標であり、そのためには「何を伝えるのか(語彙選定)」「どの程度理解できるのか(具象性・親密度)」「継続使用できるのか(携帯性)」といった機能面の要因が優先されます。絵記号の大きさは使いやすさに関わる周辺的な設定項目に過ぎず、初期導入段階では相対的に優先順位が低いと判断されます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 絵記号の大きさ ❌ 優先順位が低い。個人の視力や運動能力に合わせて調整は必要ですが、初期導入時に最優先すべき要因ではありません。運用開始後に試行錯誤で決定できる周辺的な設定です。 2. 絵記号の具象性 ✅ 優先順位が高い。知的障害児は抽象的な記号理解が困難なため、実物に近い具象的な絵記号を選定することが理解と学習の基盤になります。具象性が低いと、そもそもAAC導入が成立しません。 3. 語彙の親密度 ✅ 優先順位が高い。対象児が日常生活で頻繁に接する、関心の高い語彙から導入することが、動機づけと習得速度に直結します。親密度の低い語彙では、使用機会がなく放置されるリスクがあります。 4. コミュニケーションエイドの携帯性 ✅ 優先順位が高い。AAC導入の大きな課題は「学校・家庭・地域など複数の場面での継続使用」です。携帯性が低いと家庭での使用が進まず、効果が限定されます。 5. 絵記号の数 ✅ 優先順位が高い。初期段階では「数を絞る」ことが学習効率を高めます。語彙数が多すぎると記号選定に時間がかかり、知的障害児は習得負荷が高くなり挫折につながります。 --- 【試験対策ポイント】 AACシステム導入の優先順位判定 | 検討項目 | 優先度 | 理由 | |---|---|---| | 語彙選定(親密度) | 最高 | コミュニケーション欲求 | | 記号の具象性 | 最高 | 理解可能性(知的障害児) | | 語彙の数 | 高 | 学習負荷の調整 | | 携帯性 | 高 | 複数場面での継続使用 | | **記号の大きさ** | **低** | **運用後に調整可能な設定** | 知的障害児へのAAC導入で「優先度が低い理由」パターン: - 初期導入時には「コミュニケーション内容の決定」が最優先 - 「見やすさ」「操作しやすさ」といった使いやすさ要因は二次的(導入後に改善可能) - 大きさは個人差が大きく、試用段階で決定できる 頻出の「引っかかり選択肢」: 「携帯性」は見落とされやすいが、実は家庭・学校での継続使用を大きく左右するため優先度が高い
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