第20回 言語聴覚士国家試験 第174問
呼吸系第20回
輪状甲状筋の収縮で起こる主な変化はどれか。
- 1.声が高くなる。 ✓
- 2.声が大きくなる。
- 3.咽頭が狭くなる。
- 4.声門が開大する。
- 5.発声時間が長くなる。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 声が高くなる。
輪状甲状筋は声帯の張力を調節する唯一の内喉頭筋です。収縮すると甲状軟骨が前方に傾き、声帯が伸展・緊張します。その結果、振動周波数が上がり、声が高くなります。これは音声の基本周波数(F0)を変化させるメカニズムであり、音量変化ではなく音高変化です。
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【各選択肢の解説】
1. 声が高くなる。
✅ 正しい。輪状甲状筋の収縮により声帯が伸展・緊張し、振動周波数が増加するため基本周波数(F0)が上昇し、声が高くなります。
2. 声が大きくなる。
❌ 誤り。声の大きさ(音量・音圧レベル)は呼気流速と声帯の内転度で決まります。輪状甲状筋は張力調節筋であり、音量増加には直接寄与しません。
3. 咽頭が狭くなる。
❌ 誤り。輪状甲状筋は喉頭内の筋肉であり、咽頭構造に影響を与えません。咽頭を狭くするのは咽頭収縮筋(咽頭上・中・下収縮筋)の機能です。
4. 声門が開大する。
❌ 誤り。輪状甲状筋は声帯を伸展させますが、声門を開大させるのは後輪状披裂筋です。輪状甲状筋の収縮は声帯の緊張を高め、むしろ声門は軽く閉じた状態が保たれます。
5. 発声時間が長くなる。
❌ 誤り。発声時間(最長発声持続時間:MPT)は肺容量・残気量・気流制御に依存します。輪状甲状筋は音高調節筋であり、発声継続時間には寄与しません。
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【試験対策ポイント】
内喉頭筋の機能分類:
| 筋 | 支配神経 | 主機能 |
|---|---|---|
| 輪状甲状筋 | 上喉頭神経外枝 | 声帯張力↑(音高↑) |
| 後輪状披裂筋 | 反回神経 | 声門開大(吸気) |
| 側輪状披裂筋 | 反回神経 | 声帯内転 |
| 甲状披裂筋 | 反回神経 | 声帯弛緩(音高↓) |
| 間毛筋 | 反回神経 | 声帯内転(膜様部) |
| アブミ骨筋 | 顔面神経 | 耳小骨固定(騒音防御) |
重要:
- 輪状甲状筋のみ「上喉頭神経外枝」支配(他は反回神経)
- 音高変化=張力調節=輪状甲状筋
- 声門開閉=後輪状披裂筋・側輪状披裂筋
- 音量変化=呼気流速・声帯内転度