第20回 言語聴覚士国家試験 第175問
第20回 言語聴覚士国家試験 第175問(音声障害)の正答は 3 です。喉頭全摘出術では声帯を含む喉頭が摘出され、気管は頸部の永久気管孔につながる。
正答:3番
初回正答率 47.8%難問
67人の初回解答から算出(2026年8月1日時点)
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、STカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
喉頭全摘出術では声帯を含む喉頭が摘出され、気管は頸部の永久気管孔につながる。呼気が声門を通らなくなるため、音源を別に用意しなければならない。これが代用音声(無喉頭音声)で、①食道発声 ②人工喉頭(電気式・笛式) ③シャント発声(気管食道瘻+ボイスプロステーシス) の3系統に整理できる。図のa・d・eはこの3系統に含まれる器具、b・cは気管孔と気道を管理する器具である。
【図の器具の見分け方】
a:ボイスプロステーシス(挿入用のスタイレットが付いた状態)
前後2枚のつばで気管食道瘻に留置する一方向弁。気管孔を指でふさぐと呼気が食道へ流れ、食道粘膜を振動させて声になる(シャント発声)。音声獲得に用いる。
b:気管孔ボタン
筒の側面に溝(リブ)があり、気管孔にはめ込んで開存を保つ。音源にはならない。
c:気管カニューレ
固定ひも用の穴が2つあるネックプレートと、湾曲した筒からなる。気道確保と気管孔の管理に用いる。音源にはならない。
d:笛式人工喉頭
気管孔に当てるカップ、笛(リード)、口へ導く細い管からなる。呼気で笛を鳴らして音源にする。音声獲得に用いる。
e:電気式人工喉頭
スイッチのついた筒状の本体。頸部に押し当てて振動を口腔内に送り、それを構音して声にする。音声獲得に用いる。
【各選択肢の解説】
1.a, b
❌ 誤り。bは用いないが、a(ボイスプロステーシス)はシャント発声に用いる。
2.a, e
❌ 誤り。a・eはどちらも代用音声の器具である。
3.b, c
✅ 正しい(=正答)。b(気管孔ボタン)・c(気管カニューレ)はどちらも気管孔・気道を管理する器具で、音声獲得の手段ではない。
4.c, d
❌ 誤り。cは用いないが、d(笛式人工喉頭)は用いる。
5.d, e
❌ 誤り。d・eはどちらも人工喉頭である。
【試験対策ポイント】
用いる/用いないの線引きは、その器具が音源をつくるか(音源へ呼気を導くか) で決まる。ボイスプロステーシス・笛式人工喉頭・電気式人工喉頭は音源側、気管孔ボタン・気管カニューレは気道側で、後者は喉頭全摘出術後でなくても使う器具である。図で迷ったら、ネックプレートに固定ひもの穴があれば気管カニューレ、筒の側面に溝があってつばが1枚なら気管孔ボタン、つばが前後2枚で全体が小さければボイスプロステーシスと見分ける。なお食道発声は器具を使わないため、図には現れない。
| 器具 | 系統 | 音声獲得 |
|---|---|---|
| ボイスプロステーシス | シャント発声 | 用いる |
| 笛式人工喉頭 | 人工喉頭 | 用いる |
| 電気式人工喉頭 | 人工喉頭 | 用いる |
| 気管孔ボタン | 気管孔の管理 | 用いない |
| 気管カニューレ | 気道確保・気管孔の管理 | 用いない |
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