STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第180問

運動障害性構音障害第20回
正しい組合せはどれか。
  1. 1.パーキンソン病 ― 痙性構音障害
  2. 2.ギラン・バレー症候群 ― 運動過多性構音障害
  3. 3.重症筋無力症 ― 運動低下性構音障害
  4. 4.脊髄小脳変性症 ― 失調性構音障害 ✓
  5. 5.偽(仮)性球麻痺 ― 弛緩性構音障害

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 脊髄小脳変性症 ― 失調性構音障害 脊髄小脳変性症は小脳病変を特徴とするため、失調性構音障害が見られます。失調性構音障害では、運動の協調性が障害され、断綴性発話(スキャニングスピーチ)やリズムの不規則さが特徴的です。他の疾患と構音障害のタイプを正確に組み合わせることは、運動障害性構音障害を理解する上で最重要項目です。 --- 【各選択肢の解説】 1. パーキンソン病 ― 痙性構音障害 ❌ 誤り。パーキンソン病による構音障害は「運動低下性構音障害」です。パーキンソン病は錐体外路系の障害であり、痙性構音障害(両側錐体路障害)ではなく、単調性・加速現象・小声などの特徴を示します。 2. ギラン・バレー症候群 ― 運動過多性構音障害 ❌ 誤り。ギラン・バレー症候群は末梢神経の炎症性脱髄疾患で、下位運動ニューロンを障害するため、「弛緩性構音障害」を呈します。運動過多性構音障害は既に古い分類で、現在のMayo分類には含まれません。 3. 重症筋無力症 ― 運動低下性構音障害 ❌ 誤り。重症筋無力症は神経筋接合部の障害で、下位運動ニューロン機能を低下させるため、「弛緩性構音障害」となります。特に夕方の疲労により症状が悪化する点が特徴です。運動低下性構音障害はパーキンソン病など錐体外路系の障害に限定されます。 4. 脊髄小脳変性症 ― 失調性構音障害 ✅ 正しい。脊髄小脳変性症は小脳を病変部位とし、典型的な失調性構音障害を呈します。断綴性発話、リズム異常、音声制御の不安定さが特徴です。小脳病変=失調性構音障害という強固な結びつきがあります。 5. 偽(仮)性球麻痺 ― 弛緩性構音障害 ❌ 誤り。偽性球麻痺は両側錐体路障害により、「痙性構音障害」を呈します。球麻痺(真性)は下位運動ニューロン障害で弛緩性ですが、偽性球麻痺は上位運動ニューロン障害で痙性となります。この区別は極めて重要です。 --- 【試験対策ポイント】 運動障害性構音障害(Mayo分類)- 疾患と対応 | 構音障害タイプ | 病変部位 | 主要疾患 | 特徴的症状 | |---|---|---|---| | 痙性 | 両側錐体路 | 脳卒中・偽性球麻痺 | 努力性嗄声・硬い音質 | | 弛緩性 | 下位運動ニューロン | 球麻痺・ギラン・バレー・重症筋無力症 | 開鼻声・気息性嗄声 | | 失調性 | 小脳 | 脊髄小脳変性症・小脳梗塞 | 断綴性発話・スキャニング | | 運動低下性 | 錐体外路 | パーキンソン病・ハンチントン病 | 単調・加速現象・小声 | | 混合性 | 複数部位 | ALS(弛緩性+痙性) | 複合的障害 | 頻出トラップ - 偽性球麻痺は「球麻痺」と名がつくが、弛緩性
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