第20回 言語聴覚士国家試験 第181問
運動障害性構音障害第20回
運動低下性構音障害に特徴でないのはどれか。
a.スラー様発話
b.声量低下
c.声のふるえ
d.発話の加速傾向
e.不自然で急激な発話の変動
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e
運動低下性構音障害は錐体外路(主にパーキンソン病)の障害による構音障害です。特徴は「単調性・加速現象・声量低下」であり、スラー様発話や不自然で急激な発話変動は見られません。
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【各選択肢の解説】
a. スラー様発話
❌ 誤り。運動低下性構音障害には見られません。スラー様発話(音が滑らかにつながる)は痙性構音障害の特徴で、両側錐体路障害による努力性嗄声に伴う症状です。運動低下性ではむしろ単調で非表情的な発話になります。
b. 声量低下
✅ 正しい。運動低下性構音障害の典型的特徴の一つです。パーキンソン病では声帯の動きが小さくなり、声量低下(hypophonia)が起こります。これは他の運動低下症状(動作緩慢など)と並行して現れます。
c. 声のふるえ
✅ 正しい。パーキンソン病では4~6Hzの安静時振戦が特徴的で、発話中に声に振戦が混入することがあります。これは錐体外路障害による不随意運動の表現形です。
d. 発話の加速傾向
✅ 正しい。運動低下性構音障害の代表的特徴です。パーキンソン病では「加速現象(festination)」が起こり、発話速度が自分の意思に反して加速していきます。これは「話し始めはゆっくりだが、徐々に加速する」というパターンです。
e. 不自然で急激な発話の変動
❌ 誤り。運動低下性構音障害には見られません。むしろ特徴は「単調性」であり、発話変動に乏しいことが特徴です。不自然で急激な変動はAtaxic dysarthria(失調性構音障害)の「断綴性発話」に該当します。
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【試験対策ポイント】
運動低下性構音障害(Mayo分類)
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 原因 | 錐体外路障害(パーキンソン病など) |
| 音声特性 | 声量低下・単調・副雑音少ない |
| 発話速度 | 加速現象(festination) |
| 共鳴 | 異常なし |
| 鼻咽頭機能 | 異常なし |
| 呼吸 | 正常 |
運動低下性 vs 失調性の鑑別
| 特徴 | 運動低下性 | 失調性 |
|---|---|---|
| 発話速度 | 加速傾向 | 断綴性(slow,irregular) |
| 音量変動 | 単調 | 音量変動が著しい |
| 振戦 | あり | なし |
| 主疾患 | パーキンソン病 | 小脳障害 |
頻出!誤認しやすい構音障害の特徴
- 痙性:スラー様発話+努力性嗄声(両側錐体路損傷)
- 弛緩性:開鼻声+気息性嗄声(下位運動ニューロン)
- 失調性:断綴性発話(スキャニングスピーチ)
- 運動低下性:声量低下+加速現象+単調性
- 運動亢進性:過度な音量変動・早口