第20回 言語聴覚士国家試験 第183問
嚥下障害第20回
嚥下の咽頭期の反射運動に関わる知覚神経はどれか。
a.迷走神経
b.舌咽神経
c.顔面神経
d.副神経
e.舌下神経
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b(迷走神経、舌咽神経)
咽頭期の嚥下反射は脳幹の嚥下中枢(延髄の孤束核)に入力される感覚情報で誘発されます。この知覚神経は迷走神経(X)と舌咽神経(IX)です。迷走神経は咽頭・喉頭の広範な感覚、舌咽神経は舌後部・軟口蓋の感覚を司り、両者が嚥下反射の引き金となる遠心性刺激を脳幹に送ります。
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【各選択肢の解説】
a. 迷走神経
✅ 正しい。咽頭期の知覚神経です。咽頭・喉頭・食道の感覚を伝え、嚥下反射の主要な求心路として機能します。迷走神経の咽頭枝が咽頭粘膜の刺激を脳幹に報告し、反射の成立に必須です。
b. 舌咽神経
✅ 正しい。咽頭期の知覚神経です。舌後部1/3、軟口蓋、咽頭上部の感覚を伝え、嚥下反射の誘発に関与します。舌咽神経の刺激により孤束核が活性化され、嚥下中枢が駆動されます。
c. 顔面神経
❌ 誤り。顔面神経(VII)は舌前2/3の味覚と表情筋を支配していますが、嚥下反射の知覚神経ではありません。嚥下に関連する運動神経(口蓋帆張筋の張筋神経など)としての役割はありますが、咽頭期の反射の求心路ではありません。
d. 副神経
❌ 誤り。副神経(XI)は僧帽筋・胸鎖乳突筋・咽頭下咽頭収縮筋を支配する運動神経です。嚥下反射の知覚入力には関わりません。
e. 舌下神経
❌ 誤り。舌下神経(XII)は舌筋(舌骨舌筋を除く)を支配する運動神経です。嚥下時に舌の運動に関与しますが、咽頭期反射の知覚神経ではなく、運動神経です。
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【試験対策ポイント】
脳神経と嚥下機能の関係整理
| 脳神経 | 嚥下での役割 | 性質 |
|---|---|---|
| V(三叉神経) | 口腔内の感覚・咀嚼筋支配 | 運動&知覚 |
| VII(顔面神経) | 舌前2/3味覚・口蓋帆張筋※ | 知覚&運動 |
| IX(舌咽神経) | 舌後部感覚・咽頭期反射知覚※※ | 知覚&運動 |
| X(迷走神経) | 咽頭喉頭感覚・咽頭期反射知覚※※ | 知覚&運動 |
| XII(舌下神経) | 舌筋支配(舌骨舌筋除く) | 運動のみ |
※ VII は実は軟口蓋も一部支配(口蓋帆張筋の張筋神経)
※※ IX と X が咽頭期反射の知覚の主役
嚥下反射の求心路(感覚入力)
- 舌咽神経 IX:舌後1/3・咽頭上部
- 迷走神経 X:咽頭・喉頭全体
嚥下反射の遠心路(運動出力)
- 迷走神経 X:咽頭構語筋・食道上括約筋
- 舌咽神経 IX:咽頭上收縮筋(一