第20回 言語聴覚士国家試験 第184問
嚥下障害第20回
加齢による嚥下機能低下の要因はどれか。
- 1.咽頭収縮力が低下する ✓
- 2.安静時の喉頭の位置が高くなる
- 3.食道入口部が閉鎖しにくくなる
- 4.喉頭挙上のタイミングが早くなる
- 5.咽頭・喉頭粘膜の感覚が過敏になる
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 咽頭収縮力が低下する
加齢による嚥下機能低下は、咽頭の筋力減少に伴う収縮力の低下が主要な要因です。加齢とともに咽頭収縮筋の筋線維萎縮が進行し、嚥下時の咽頭の蠕動運動が弱体化することで、食塊の咽頭への流入が遅延し、誤嚥のリスクが増加します。
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【各選択肢の解説】
1. 咽頭収縮力が低下する
✅ 正しい。加齢により咽頭収縮筋(咽頭constrictors)の筋力が低下し、食塊の推進力が減弱します。これが加齢による嚥下障害の最も重要なメカニズムです。
2. 安静時の喉頭の位置が高くなる
❌ 誤り。加齢により喉頭は位置が低下する傾向を示します。喉頭の低下は嚥下時の喉頭挙上範囲の減少につながり、気道防御機能が低下します。
3. 食道入口部が閉鎖しにくくなる
❌ 誤り。これは加齢による嚥下機能低下の主要因ではありません。食道入口部の機能障害は、むしろ特定の神経筋疾患に関連する変化です。
4. 喉頭挙上のタイミングが早くなる
❌ 誤り。加齢により喉頭挙上のタイミングは遅延する傾向を示します。反応時間の遅れにより、咽頭期の嚥下反射が遅れがちになります。
5. 咽頭・喉頭粘膜の感覚が過敏になる
❌ 誤り。加齢により咽頭・喉頭粘膜の感覚は過敏になるのではなく、むしろ低下・鈍化します。これにより誤嚥の危険性が高まります。
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【試験対策ポイント】
加齢による嚥下機能低下の主要メカニズム:
| 機能要素 | 加齢による変化 | 臨床的影響 |
|---|---|---|
| 咽頭収縮力 | 低下(筋力減弱) | 食塊推進力の低下→誤嚥リスク増加 |
| 喉頭位置 | 低下傾向 | 喉頭挙上範囲の縮小 |
| 嚥下反射タイミング | 遅延 | 咽頭期の遅れ |
| 粘膜感覚 | 低下・鈍化 | 誤嚥自覚の低下 |
| 舌骨挙上 | 範囲縮小・速度低下 | 気道防御不全 |
重要な否定知識:
- 喉頭の位置は「低下」する(高くはならない)
- 粘膜感覚は「鈍化」する(過敏にはならない)
- 嚥下反射のタイミングは「遅延」する(早まらない)
頻出のまとめ:加齢対応には、咽頭収縮力を維持するための嚥下筋訓練(特に咽頭筋トレーニング)が有効です。