第20回 言語聴覚士国家試験 第187問
吃音第20回
20歳男性。主訴は吃音。自由会話ではほとんど吃音症状は見られないが、職場での電話応答が困難である。適切でない対応はどれか。
- 1.電話場面の吃音症状を評価する
- 2.随意吃の訓練を実施する
- 3.セルフヘルプグループを紹介する
- 4.職場に対して理解と協力を要請する
- 5.会話に支障がないので、支援対象外とする ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 会話に支障がないので、支援対象外とする
吃音により「職場での電話応答が困難」という実際の生活支障が生じているため、支援対象外とするのは不適切です。吃音の重症度は単なる症状の有無ではなく、生活上の支障の程度で判断されます。場面特異的な吃音(電話など緊張場面に限定)であっても、その場面での支障が大きければ対応が必要です。
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【各選択肢の解説】
1. 電話場面の吃音症状を評価する
✅ 正しい。自由会話では吃音がほぼなく、電話応答で症状が強くなるという「場面特異性」が見られています。このような場面依存的な吃音パターンを正確に把握するため、実際の電話場面(またはロールプレイ)での評価は重要です。
2. 随意吃の訓練を実施する
✅ 正しい。吃音者が自分のコントロール下で吃きながら話す訓練です。特に場面特異的な吃音では、緊張を軽減し吃音への不安を減らす効果があります。電話場面のような回避行動が強い場面では有効な介入方法です。
3. セルフヘルプグループを紹介する
✅ 正しい。吃音者同士の相互支援により、心理的負担が軽減され自己受容が促進されます。職場での電話応答という具体的ストレス場面を抱える本人にとって、同じ困難を経験する他者との交流は治療的価値があります。
4. 職場に対して理解と協力を要請する
✅ 正しい。吃音者の社会参加や職業遂行を支援する観点から、職場環境調整は重要な支援です。電話応答の仕方の工夫や業務調整などを通じて、吃音による職場での支障を軽減できます。
5. 会話に支障がないので、支援対象外とする
❌ 誤り。自由会話では支障がなくても、電話応答という特定場面で「困難」が生じているため、明らかに生活支障があります。吃音の治療適応は症状の有無ではなく、患者の生活上の支障と本人の希望で判断すべき重要な原則です。
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【試験対策ポイント】
吃音評価・治療の基本原則
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 吃音の特徴 | 場面依存性が強い(学校・電話・初対面など) |
| 評価項目 | 症状の有無だけでなく「生活支障」「心理的負担」「本人の希望」 |
| 支援対象の判定 | 症状がなくても生活支障があれば支援対象 |
| 介入層別 | 症状軽微→助言、症状中等~重度かつ支障あり→治療 |
吃音治療法の分類
| 方法 | 内容 | 場面特異的吃音での役割 |
|---|---|---|
| 随意吃 | 自分のコントロール下での吃音化 | 緊張軽減・不安低減 |
| 呼吸音声法 | ゆっくりとした呼吸と発声 | リラクセーション効果 |
| リズム療法 | メトロノームに同期 | 流暢性改善(ただし人工的) |
| 認知行動療法 | 吃音への恐怖・回避を扱う | 社会不安の根本的改善 |
| 環境調整 | 職場・学校への理解要請 | 外的ストレス軽減 |
紛らわしい知識:「支援対象外」という選択肢が出現
- 吃音は「症状の重さ」ではなく「生活上の支障」と「本人の希