第20回 言語聴覚士国家試験 第189問
小児聴覚障害第20回
健聴の両親を持つ第1子の先天性難聴児の遺伝形式が常染色体劣性と診断された。第2子に同じ難聴が出現する確率はどれか。
- 1.0
- 2.0.001
- 3.0.25 ✓
- 4.0.5
- 5.1
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 0.25
健聴の両親が先天性難聴児(常染色体劣性)を持つということは、両親ともこの遺伝子の保因者(ヘテロ接合体)です。保因者同士の交配では、各自に50%の確率で遺伝子を受け継ぎ、第2子が同じ難聴を発症する確率は0.5×0.5×4=0.25(25%)となります。
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【各選択肢の解説】
1. 0
❌ 誤り。両親が保因者である限り、毎回の出産で同じ遺伝子疾患が発現する可能性があります。兄弟姉妹間の遺伝子の独立性により、第1子の発症は第2子の発症確率を変えません。
2. 0.001
❌ 誤り。集団における新規変異の発生確率程度であり、既に両親が保因者と確定している状況には該当しません。家族内の常染色体劣性遺伝では、この値は適切ではありません。
3. 0.25
✅ 正しい。両親がともに保因者(Aa)の場合、aa×Aa、aa×Aa→aa(患者):Aa(保因者):AA(正常)=1:2:1。各親から劣性遺伝子を受け継ぐ確率0.5×0.5=0.25です。
4. 0.5
❌ 誤り。これは一方の親が患者で他方が保因者の場合や、X連鎖劣性遺伝の母親保因者から男児への発症確率です。本問は常染色体劣性なので、この値は適切ではありません。
5. 1
❌ 誤り。両親がともに保因者でも、毎回確実に患者が出生するわけではありません。通常の劣性遺伝では4分の1の確率です。
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【試験対策ポイント】
| 遺伝形式 | 親の遺伝子型 | 患児の発症確率 |
|---|---|---|
| 常染色体劣性(患児が初発) | Aa(保因者)×Aa(保因者) | 1/4(25%) |
| 常染色体優性(患親あり) | Aa(患者)×aa(正常) | 1/2(50%) |
| X連鎖劣性(母親保因者) | XAXa(保因者)×XaY(正常男児) | 男児1/2、女児1/2キャリア |
| X連鎖劣性(患児初発、母親保因者) | XAXa×XaY | 男児患者1/2 |
重要な区別
- 「先天性難聴児の両親が健聴」→常染色体劣性なら「両親は必ず保因者」
- 第1子の発症は、遺伝的には第2子の発症確率に影響しない(独立した事象)
- 各親から劣性遺伝子を受け継ぐ確率は独立して0.5×0.5=0.25
先天性難聴の遺伝学
- 常染色体劣性:全難聴患者の約75~80%(最多)
- GJB2遺伝子(ギャップ結合タンパク26)が代表的原因
- 常染色体優性:約20~25%
- 保因者スクリーニングと遺伝カウンセリングが重要(遺伝性難聴家系)