第20回 言語聴覚士国家試験 第198問
第20回 言語聴覚士国家試験 第198問(補聴器・人工内耳)の正答は 5 です。図の縦軸は出力音圧レベル(dBSPL)で、利得ではない。
- 1.3,000Hzにピークが生じるのは、ヒトの可聴閾値がこの付近で最も低いことによる。
- 2.Aの周波数レスポンス曲線から測定時の設定におけるこの補聴器の最大利得を計算できる。
- 3.Bの周波数レスポンス曲線の1,000Hzの利得は約78dBである。
- 4.高音漸傾型難聴に適合しない調整である。
- 5.2,000HzにおけるAの利得とBの利得との差は10dBである。 ✓
正答:5番
初回正答率 36.7%難問
98人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、STカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
図の縦軸は出力音圧レベル(dBSPL)で、利得ではない。利得=出力-入力で求める。出力の高い曲線Aが入力90dBSPL、低い曲線Bが入力60dBSPLの測定である。2,000HzではAの出力が約104dB(利得 104-90=約14dB)、Bの出力が約84dB(利得 84-60=約24dB)で、利得の差は約10dBとなる。入力は30dB違うのに出力は約20dBしか違わない=入力90dBではAの出力が飽和して利得が下がっている、という読み方も押さえる。
【各選択肢の解説】
1.3,000Hzにピークが生じるのは、ヒトの可聴閾値がこの付近で最も低いことによる。
❌ 誤り。ヒトの可聴閾値とは関係しない。正しくはこのピークはイヤホン(レシーバ)や音導管・カプラの共振特性によるものである。
2.Aの周波数レスポンス曲線から測定時の設定におけるこの補聴器の最大利得を計算できる。
❌ 誤り。Aは入力90dBSPLの曲線で、出力が飽和している(入力差30dBに対し出力差は約20dB)。飽和した出力から出した利得は本来の利得より小さくなるので、Aから最大利得は求められない。正しくはこの設定での利得は、飽和していない入力で測った曲線で読む。なお規格でいう最大音響利得は、利得調整器を最大にし、規格で定められた低い入力音圧で測る値であり、この図の測定条件とは別物である。
3.Bの周波数レスポンス曲線の1,000Hzの利得は約78dBである。
❌ 誤り。約78dBはBの1,000Hzの出力である。正しくは利得は 78-60=約18dB。出力と利得の取り違えを狙った選択肢。
4.高音漸傾型難聴に適合しない調整である。
❌ 誤り。低音より高音を強く増幅する特性である。正しくは高音漸傾型難聴に適合する調整といえる。
5.2,000HzにおけるAの利得とBの利得との差は10dBである。
✅ 正しい(=正答)。Aの利得約14dB、Bの利得約24dBで、その差は約10dBとなる。
【試験対策ポイント】
補聴器特性図は、縦軸が出力か利得かをまず確認し、「利得=出力-入力」で読む。入力90dBの曲線は出力の上限(飽和)を見るためのもの、入力60dBの曲線は利得を読むためのもの、と役割を分ける。2本の曲線の出力差が入力差より小さければ、強い入力側で飽和が起きている。
| 曲線 | 入力 | 読むもの |
|---|---|---|
| A(出力高) | 90dBSPL | 出力の上限(飽和) |
| B(出力低) | 60dBSPL | 利得(出力-60) |
| 最大音響利得 | 規格の低入力 | 利得調整器最大で測る別の値 |
この問題の初回正答率は36.7%——受験者の63%が落としている難問です。こういう範囲は1問ずつ解説を読んでも埋まりません。ST国試ノートなら「なぜそうなるか」を頻出ポイントに絞って体系的に読めます。現役STが作った買い切り教材です。
▶ この範囲のノートを開く(買い切り850円)
🗺️ ST-Toolbox の無料サービス リハ就職マップ | STの就職先を公的データから探す 見学先を選ぶときにまず知りたいのは「そこがどの分野をやっているか」。届出内容から分かる領域(成人・小児・聴覚・生活期(介護施設))と、住所を入れての通勤時間で絞り込めます。全国14,201か所・登録不要。求人が出ていない施設も最初から載っています。 別タブでさがす →