第20回 言語聴覚士国家試験 第199問
補聴器・人工内耳第20回
補聴器支援システムについて誤っているのはどれか。
- 1.磁気ループシステムには、ネックループなどを用いた個人用の装置がある。
- 2.デジタル無線補聴支援システムは人工内耳装用者に使用できる。
- 3.FM補聴システムは混信が問題になる。
- 4.障害者総合支援法の対象になる補聴支援システムがある。
- 5.赤外線通信は野外で使用できる。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 赤外線通信は野外で使用できる
赤外線通信は赤外光を利用するため、太陽光などの環境光に強く影響されます。特に屋外では太陽からの赤外線により信号が埋没しやすく、受信品質が著しく低下するため、赤外線通信システムは屋内使用を前提に設計されています。野外での使用には向きません。
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【各選択肢の解説】
1. 磁気ループシステムには、ネックループなどを用いた個人用の装置がある
✅ 正しい。磁気ループシステムは個人用として携帯電話との通話、テレビ聴取用のネックループ(磁気ループコイル)が市販されており、集団設置式施設用ループとは別に個人用装置が存在します。
2. デジタル無線補聴支援システムは人工内耳装用者に使用できる
✅ 正しい。デジタル無線システムは電磁波ではなく音声を直接受信者へ送信するため、人工内耳の処理音声に干渉しません。人工内耳装用者も利用可能です。
3. FM補聴システムは混信が問題になる
✅ 正しい。FM補聴システムは周波数帯を共有する他の無線機器(ラジオ、アマチュア無線など)との混信が発生し得ます。複数チャンネルを備えるシステムはこの対策として工夫されています。
4. 障害者総合支援法の対象になる補聴支援システムがある
✅ 正しい。障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度では、補聴器のほか補聴支援システム(特に磁気ループなど)が支給対象となる場合があります。
5. 赤外線通信は野外で使用できる
❌ 誤り。赤外線通信は太陽光に含まれる赤外線に強く影響され、屋外では信号品質が低下します。屋内での使用に限定されるため、野外使用はできません。
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【試験対策ポイント】
補聴支援システム5つの特性比較表
| システム | 原理 | 混信 | 屋内/屋外 | 電磁干渉 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 磁気ループ | 磁気信号 | なし | 屋内 | あり | 個人・集団用あり |
| FM無線 | 周波数変調 | あり | 屋外OK | あり | チャンネル選択が重要 |
| デジタル無線 | デジタル信号 | 少ない | 屋外OK | なし | 人工内耳装用者OK |
| 赤外線 | 赤外光 | なし | 屋内のみ | なし | 太陽光に弱い |
| 有線 | ケーブル | なし | 固定地点 | 最小 | 可搬性に欠ける |
重要知識:赤外線通信が屋内のみの理由
- 太陽光に含まれる赤外線が干渉する
- 直進性が強いため拡散しにくい
- 反射率が低い素材では受信困難
障害者総合支援法における補聴支援システム
- 補装具費支給制度の対象
- 補聴器と併用される場合が多い
- 個別支援計画に位置づけが必要