第20回 言語聴覚士国家試験 第21問
第20回 言語聴覚士国家試験 第21問(聴覚系)の正答は 1 です。中耳=インピーダンス整合、内・外有毛細胞の役割分担、基底板の幅と周波数が三大頻出。
- 1.中耳伝音系では空気から液体へのインピーダンス整合を行う。 ✓
- 2.外有毛細胞の不動毛は蓋膜と連結していない。
- 3.蝸牛の前庭階と中耳は正円窓によって境されている。
- 4.基底板は基底回転より頂回転の方が幅が狭い。
- 5.ヒト蝸牛の内有毛細胞は外有毛細胞より多い。
正答:1番
聴覚の基礎。空気中を伝わる音を内耳の液体(内リンパ)へ効率よく伝えるには、媒質の違いによるインピーダンス(音の伝わりにくさ)の差を補正する必要がある。鼓膜と耳小骨はこのインピーダンス整合を担う。正しい記述で正答。他は有毛細胞・窓・基底板に関する誤り。
【各選択肢の解説】
1.中耳伝音系では空気から液体へのインピーダンス整合を行う
✅ 正しい(=正答)。鼓膜と卵円窓の面積比、耳小骨連鎖のてこ比により、空気→内リンパ液への音響エネルギーの伝達効率を約30dB高める。
2.外有毛細胞の不動毛は蓋膜と連結していない
❌ 誤り。外有毛細胞の不動毛は蓋膜に連結している。連結していないのは内有毛細胞の不動毛で、内リンパの動きで間接的に刺激される。
3.蝸牛の前庭階と中耳は正円窓によって境されている
❌ 誤り。前庭階と中耳の境は卵円窓(アブミ骨底がはまる)。正円窓は鼓室階と中耳の境で、内リンパの圧を逃がす役割をもつ。
4.基底板は基底回転より頂回転の方が幅が狭い
❌ 誤り。基底板は基底回転で狭く硬く、頂回転で広く柔らかい。幅広い頂回転が低音、狭い基底回転が高音に共鳴する(周波数局在)。
5.ヒト蝸牛の内有毛細胞は外有毛細胞より多い
❌ 誤り。内有毛細胞は約3,500、外有毛細胞は約12,000で、外有毛細胞の方が多い。役割は内が求心性の主受容、外が増幅。
【試験対策ポイント】
中耳=インピーダンス整合、内・外有毛細胞の役割分担、基底板の幅と周波数が三大頻出。窓の対応も取り違えやすいので図で固定する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 内有毛細胞 | 約3,500・求心性の主受容・蓋膜と非連結 |
| 外有毛細胞 | 約12,000・能動的増幅・蓋膜と連結 |
| 基底回転 | 狭く硬い・高音に共鳴 |
| 頂回転 | 広く柔らかい・低音に共鳴 |
| 卵円窓/正円窓 | 前庭階/鼓室階の境 |
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