第20回 言語聴覚士国家試験 第3問
生理学第20回
各部位と主な神経伝達物質との組合せで正しいのはどれか。
- 1.青班核 ― アセチルコリン
- 2.縫線核 ― ノルアドレナリン
- 3.交感神経節後線維 ― セロトニン
- 4.副交感神経節後線維 ― グルタミン酸
- 5.黒 質 ― ドパミン ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 黒質 ― ドパミン
黒質(substantia nigra)はドパミンを神経伝達物質とするニューロンを含み、特にコンパクタ部(pars compacta)からのドパミン産生ニューロンが線条体へ投射して運動制御に関わります。これはパーキンソン病で障害される経路として知られています。
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【各選択肢の解説】
1. 青斑核 ― アセチルコリン
❌ 誤り。青斑核(locus coeruleus)の主な神経伝達物質はノルアドレナリンです。アセチルコリンは脚橋核など他の脳幹部位で産生されます。
2. 縫線核 ― ノルアドレナリン
❌ 誤り。縫線核(raphe nucleus)の主な神経伝達物質はセロトニンです。ノルアドレナリンは青斑核から放出されます。
3. 交感神経節後線維 ― セロトニン
❌ 誤り。交感神経節後線維の神経伝達物質はノルアドレナリン(アドレナリン受容体を活性化)です。例外として汗腺や副腎髄質への線維はアセチルコリン作動性です。
4. 副交感神経節後線維 ― グルタミン酸
❌ 誤り。副交感神経節後線維の神経伝達物質はアセチルコリン(ムスカリン受容体を活性化)です。グルタミン酸は主に脊髄・脳内の興奮性シナプスで機能する中枢神経伝達物質です。
5. 黒質 ― ドパミン
✅ 正しい。黒質コンパクタ部のドパミンニューロンは線条体へ投射し、運動の開始と制御に関わります。この系が障害されるとパーキンソン病が生じます。
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【試験対策ポイント】
脳幹と神経伝達物質の対応表
| 部位 | 神経伝達物質 | 機能 |
|---|---|---|
| 黒質 | ドパミン | 運動制御(障害→パーキンソン病) |
| 青斑核 | ノルアドレナリン | 覚醒・注意 |
| 縫線核 | セロトニン | 気分・睡眠 |
| 腹側被蓋野 | ドパミン | 報酬・動機づけ |
| 脚橋核 | アセチルコリン | REM睡眠 |
自律神経の節後線維
| 自律神経系 | 神経伝達物質 | 受容体 | 例外 |
|---|---|---|---|
| 交感神経節後 | ノルアドレナリン | α・β受容体 | 汗腺・副腎髄質はアセチルコリン |
| 副交感神経節後 | アセチルコリン | ムスカリン受容体 | なし |
頻出誤り回避法
- グルタミン酸=「中枢神経の興奮性伝達物質」として認識→脳幹部位では主役級ではない
- セロトニンは「気分・睡眠」の縫線核と固定
- パーキンソン病=ドパミン欠乏→黒質との関連を必ず覚える