STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第34問

生涯発達心理学第20回
Piaget,J.が認知発達を説明するために導入した用語でないのはどれか。
  1. 1.シェマ
  2. 2.同 化
  3. 3.均衡化
  4. 4.調 節
  5. 5.熟達化 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 熟達化 Piaget(ピアジェ)の認知発達理論は「シェマ」「同化」「調節」「均衡化」の4つの中核概念で構成されています。「熟達化」はPiagetではなく、学習心理学やスキル習得の文脈で使われる用語であり、Piagetの認知発達理論には含まれません。 --- 【各選択肢の解説】 1. シェマ ✅ 正しい。Piagetの認知構造の基本単位。「認知的枠組み」「心的図式」とも呼ばれ、環境との相互作用を通じて形成・変化していく知的構造です。発達に伴ってシェマは階層化・複雑化します。 2. 同化 ✅ 正しい。新しい情報や経験を既存のシェマに組み込み、自分の認知体系に取り込むプロセス。例:犬を見て「わんわん」と呼ぶ幼児が、猫も同じ概念で「わんわん」と呼ぶ(過度般化)。 3. 均衡化 ✅ 正しい。「同化」と「調節」のバランスを取り、心理的に一貫性のある状態に達するメカニズム。不均衡状態が生じると、認知的葛藤を解決するために調節が起こり、やがて新しい均衡状態に到達します。 4. 調節 ✅ 正しい。既存のシェマでは対応できない新しい経験に直面した時、そのシェマ自体を修正・変更するプロセス。「同化」との対比概念で、認知発達の主要なメカニズムの一つです。 5. 熟達化 ❌ 誤り。これはPiagetの理論に由来しない用語です。熟達化は「練習を通じてスキルや技能を高度化させるプロセス」を指す学習心理学の概念であり、Piagetの認知発達理論の枠組みには含まれません。 --- 【試験対策ポイント】 Piaget認知発達理論の4つの中核概念 | 概念 | 説明 | 例 | |---|---|---| | シェマ | 認知的枠組み・心的図式 | 「犬」という概念スキーマ | | 同化 | 新情報を既存シェマに組み込む | 「猫も犬だ」と分類 | | 調節 | 新経験に対応するようシェマを修正 | 「猫は別の動物」と区別習得 | | 均衡化 | 同化と調節のバランス → 発達 | シェマの洗練と階層化 | 頻出の混同用語 - 熟達化:スキル習得(ドレイファス段階説など) - 脱中心化:Piagetの認知発達段階の具体的事例 - 可逆性:思考の柔軟性(具体的操作期の獲得) 試験での見分け方:「Piagetが導入した用語か」と明示されている場合、4つの中核概念(シェマ・同化・調節・均衡化)以外の用語を選ぶことが多い。
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