STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第53問

言語聴覚障害総論第20回
誤っている組合せはどれか。
  1. 1.アルツハイマー病 ― 記憶障害
  2. 2.失語症 ― 喚語障害
  3. 3.口蓋裂 ― 共鳴異常
  4. 4.発達性ディスレキシア ― 知的障害 ✓
  5. 5.偽(仮)性球麻痺 ― 構音障害

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 発達性ディスレキシア ― 知的障害 発達性ディスレキシア(発達性読み書き障害)は、知能は正常であるにもかかわらず、読み書き能力だけが選択的に低下する学習障害です。知的障害を伴うものではなく、むしろ「知能は保たれているが特定の学習領域に困難がある」という限定的な特性があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. アルツハイマー病 ― 記憶障害 ✅ 正しい。アルツハイマー病は神経変性疾患であり、初期症状として短期記憶の低下が著明です。記憶障害は本疾患の中核症状です。 2. 失語症 ― 喚語障害 ✅ 正しい。失語症では高い確率で喚語障害(特定の語が思い出せない状態)が生じます。失語症の多くが喚語困難を伴い、これは症状の有無を問わず存在します。 3. 口蓋裂 ― 共鳴異常 ✅ 正しい。口蓋裂では軟口蓋の分裂により、鼻咽頭閉鎖が不完全になり、鼻腔への気流漏出が生じます。これにより開鼻声などの共鳴異常が発生します。 4. 発達性ディスレキシア ― 知的障害 ❌ 誤り。発達性ディスレキシアは限局性学習障害(Specific Learning Disorder)に分類され、知能は通常範囲内です。読み書き能力だけが選択的に障害されるため、知的障害とは異なります。知的障害を伴う場合は、限局性学習障害ではなく知的能力障害の診断となります。 5. 偽性球麻痺 ― 構音障害 ✅ 正しい。偽性球麻痺は両側の錐体路障害により舌や咽頭筋が痙性麻痺となり、努力性嗄声や硬い構音障害が生じます。Mayo分類では痙性構音障害に分類されます。 --- 【試験対策ポイント】 発達性ディスレキシア vs 知的障害の区別 | 項目 | 発達性ディスレキシア | 知的障害 | |---|---|---| | 知能水準 | 正常〜高い | 低い(IQ70以下) | | 学習困難の範囲 | 読み書きに限定 | 広汎(学習全般) | | 診断分類 | 限局性学習障害 | 神経発達障害 | | その他の認知機能 | 保たれている | 全般的に低い | 頻出の誤り組合せ - 発達性ディスレキシア=知的障害(誤り) - 発達性ディスレキシア=読み書き困難(正) - 口蓋裂=鼻声(正) - 失語症=全ての言語機能障害(正ではない場合もある、タイプ依存)
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