STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第57問

失語症第20回
ブローカ失語と診断するのに重要でないのはどれか。 a.保 続 b.復唱障害 c.発語失行 d.聴覚的理解障害 e.語頭音ヒントの有効性 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e ブローカ失語の診断には、「流暢性の低下(非流暢)」「理解の保持」「復唱障害」という3軸が最も重要です。保続と語頭音ヒントの有効性は、ブローカ失語に付随する症状またはアプローチ効果であり、診断的価値が低いため、診断に「重要でない」項目に該当します。 --- 【各選択肢の解説】 a. 保続 ❌ 誤り(診断に重要でない)。保続は脳損傷全般に見られる非特異的症状であり、ブローカ失語特有ではありません。むしろ前頭葉損傷全体で観察されるため、ブローカ失語の診断的価値は低い。 b. 復唱障害 ✅ 正しい(診断に重要)。ブローカ失語の診断的特徴の1つです。聴覚的理解は比較的保持されているのに、言葉の復唱が著しく困難である点が重要な診断基準。 c. 発語失行 ✅ 正しい(診断に重要)。ブローカ失語と高頻度で併存し、非流暢な発話、音韻的エラーの増加、努力的な構音を示します。診断的には重要な特徴。 d. 聴覚的理解障害 ✅ 正しい(診断に重要)。ブローカ失語は「相対的に聴覚的理解が保持される」ことが診断の核です。理解が著しく障害されていればBroca失語ではなく、全失語やWernicke失語の可能性が高まるため、理解を評価することは不可欠。 e. 語頭音ヒントの有効性 ❌ 誤り(診断に重要でない)。語頭音ヒントが有効であることは、ブローカ失語に対する治療・支援技法の効果を示すもので、失語症の「診断」そのものには直結しません。診断と治療効果は別軸です。 --- 【試験対策ポイント】 ブローカ失語の診断軸(必須3項目) | 項目 | ブローカ失語の特徴 | |---|---| | 流暢性 | 非流暢(努力的、遅い、短文) | | 聴覚的理解 | 比較的保持(理解>表出) | | 復唱 | 著しく障害 | 診断に重要でない項目の判別法 - 保続:全前頭葉損傷で見られる非特異的症状 - 語頭音ヒント有効性:治療効果であり診断基準ではない - 「付随症状」と「診断的特徴」の区別が重要 ブローカ失語で重要な臨床所見 - 努力的嗄声(発語失行と並存) - 文法的語や機能語の脱落 - 喚語困難(内在化言語の障害) 「診断に重要」vs「治療に有効」を混同しない 試験では「診断」と「予後・治療効果」を区別して考えることが必須。
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