STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第58問

失語症第20回
声量低下が見られるのはどれか。
  1. 1.ウェルニッケ失語
  2. 2.健忘性失語
  3. 3.超皮質性感覚失語
  4. 4.伝導失語
  5. 5.視床失語 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 視床失語 視床失語は視床内側部の梗塞により生じ、「声量低下」「発話意欲の低下」「無反応性」が特徴です。これは視床の賦活機能障害によるもので、他の失語症とは異なる症候です。 --- 【各選択肢の解説】 1. ウェルニッケ失語 ❌ 誤り。流暢で音量十分な発話が見られます。聴理解が著しく低下し、意味不明な新造語が多く流暢に産出される点が特徴です。むしろ過剰な発話傾向を示します。 2. 健忘性失語 ❌ 誤り。命名失語とも呼ばれ、流暢性・理解・復唱は良好で、選択肢指示も可能です。声量は保持され、語を探索する努力的な発話を示しますが音量低下はありません。 3. 超皮質性感覚失語 ❌ 誤り。流暢で音量十分な発話が見られます。聴理解が低下し意味不明な発話がありますが、復唱能力は良好という超皮質性失語の特徴を示します。声量低下は認められません。 4. 伝導失語 ❌ 誤り。流暢で音量は保たれます。理解は比較的良好ですが復唱が著しく不良という特徴を示します。努力的な傾向を示すことはありますが、声量低下は主症状ではありません。 5. 視床失語 ✅ 正しい。視床内側部梗塞時に生じる失語で、「声量低下」「発話意欲の低下」「反応性低下」が典型的です。他の失語症では見られない無気力的な特徴が視床失語の診断的価値があります。 --- 【試験対策ポイント】 失語症の分類と特徴 | 失語型 | 流暢性 | 理解 | 復唱 | 命名 | 付随症状 | |---|---|---|---|---|---| | Broca失語 | 非流暢 | 良好 | 不良 | 不良 | 努力性・呼気的 | | Wernicke失語 | 流暢 | 不良 | 不良 | 不良 | 新造語・錯語 | | 伝導失語 | 流暢 | 良好 | 著しく不良 | 不良 | 錯語・反復努力 | | 超皮質性運動失語 | 非流暢 | 良好 | 良好 | 不良 | 反応性低下 | | 超皮質性感覚失語 | 流暢 | 不良 | 良好 | 不良 | 新造語・反響言語 | | 全失語 | 非流暢 | 不良 | 不良 | 不良 | 自動言語は相対的に保持 | | 健忘性失語 | 流暢 | 良好 | 良好 | 不良 | 語探索現象顕著 | | **視床失語** | **流暢/非流暢** | **軽度障害** | **良好** | **不良** | **声量低下・発話意欲低下** | 視床失語の鑑別ポイント - 他の失語症と異なり「無気力」「反応性低下」が前面に出る - 皮質下失語(視床・被殻など)の特徴:皮質失語より症状が軽い傾向 - 声量低下は視床の賦活機能障害に起因(RAS:網様体賦活系障害) - 試験では「声量」「発話意欲」がキーワード→視床失語
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