第20回 言語聴覚士国家試験 第59問
失語症第20回
失語症語彙検査の類義語判断検査における評価対象はどれか。
- 1.意味システム(認知システム) ✓
- 2.文字入力辞書
- 3.聴覚入力辞書
- 4.音韻出力辞書
- 5.書記素出力バッファー
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 意味システム(認知システム)
類義語判断検査は、呈示された2つの単語の意味的な関係を判断する課題です。この検査は「単語同士の意味が似ているか」という意味レベルの処理を問うため、意味の貯蔵・処理を行う意味システム(認知システム)を直接評価します。言語の音韻や字形ではなく、意味内容の理解が中核となるため、単語の意味表現がどの程度保持されているかを測定できます。
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【各選択肢の解説】
1. 意味システム(認知システム)
✅ 正しい。類義語判断検査は「意味が似ているか」を判定する課題であり、意味システムの機能を直接評価します。失語症患者の意味理解の程度(カテゴリー知識や概念の保持)を測定するための標準的な検査です。
2. 文字入力辞書
❌ 誤り。文字入力辞書は視覚的に呈示された文字を認識する段階で機能しており、意味判断には直接関与しません。類義語判断は音声呈示・文字呈示どちらでも成立するため、特定の入力経路に限定されません。
3. 聴覚入力辞書
❌ 誤り。聴覚入力辞書は音声言語の音形を認識する早期の処理段階です。類義語判断検査では音形そのものの認識ではなく、認識後の意味処理が焦点であるため、これは評価対象ではありません。
4. 音韻出力辞書
❌ 誤り。音韻出力辞書は発話に必要な音韻情報を保持する経路です。類義語判断は通常、判断結果を「はい/いいえ」など簡潔に応答する課題であり、複雑な発話産出を必要としないため、音韻出力辞書の機能測定ではありません。
5. 書記素出力バッファー
❌ 誤り。書記素出力バッファーは書字産出に関わる成分です。類義語判断検査は読むまたは聞いて判定する理解課題であり、書字産出を必須としないため評価対象外です。
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【試験対策ポイント】
失語症語彙検査における各検査項目と評価対象言語成分:
| 検査項目 | 評価対象成分 | 処理レベル |
|---|---|---|
| 類義語判断検査 | 意味システム | 意味レベル(言語ルート) |
| 音韻判断検査(音の同異) | 聴覚入力辞書 | 音韻レベル |
| 字形判断検査(字の同異) | 文字入力辞書 | 字形レベル |
| 呼称検査 | 意味システム→音韻出力辞書 | 意味→産出 |
| 復唱検査 | 聴覚入力経路→音韻出力 | 音韻ルート(意味を経由しない) |
| 筆記検査 | 意味→書記素出力バッファー | 意味ルート |
キーワード:
- 「意味が似ているか」→意味システムの評価
- 「音が同じか」→聴覚入力辞書の評価
- 「字が同じか」→文字入力辞書の評価
- 選択肢に「入力」と「出力」があれば、課題が理解(入力系)か産出(出力系)かで判定