第20回 言語聴覚士国家試験 第65問
小児科学第20回
胎児期に発生する疾患でないのはどれか。
a.先天性梅毒
b.クレチン症
c.ダウン症
d.ミトコンドリア病
e.先天性風疹症候群
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — c,d
この問題は「胎児期に発生する疾患」の定義を理解する必要があります。胎児期発生疾患とは、妊娠中(特に妊娠早期)の母体感染や環境要因により、胎児の器官形成段階で直接障害が生じる疾患を指します。一方、ダウン症は受精時に既に存在する染色体異常、ミトコンドリア病は遺伝情報に基づいた遺伝病であり、どちらも「胎児期に発生」したのではなく「受精時に既に存在」する疾患です。
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【各選択肢の解説】
a. 先天性梅毒
✅ 胎児期に発生する疾患。妊娠中の母親がトレポネーマに感染している場合、胎盤を通じて胎児に垂直感染します。妊娠早期(特に妊娠4ヶ月以降)の感染で、先天性梅毒として流産、死産、または障害児出生の原因となります。
b. クレチン症
✅ 胎児期に発生する疾患。先天性甲状腺機能低下症であり、甲状腺形成不全(無形成・低形成)や酵素欠損などの先天的障害により、胎児期から甲状腺ホルモン分泌不全が生じます。新生児マススクリーニング対象疾患です。
c. ダウン症
❌ 胎児期に発生する疾患ではない。ダウン症は21番染色体が3本存在する染色体異常であり、受精時に既に異常が存在しています。妊娠中に「発生」したのではなく、生殖細胞形成段階での減数分裂不分離に起因します。
d. ミトコンドリア病
❌ 胎児期に発生する疾患ではない。ミトコンドリアDNA(mtDNA)の遺伝子異常に基づく遺伝病であり、受精時に両親(特に母親)から継承されています。遺伝情報に基づいた先天性疾患ですが、妊娠中の環境要因で「発生」する疾患ではありません。
e. 先天性風疹症候群
✅ 胎児期に発生する疾患。妊娠早期(特に妊娠3ヶ月以内)の母親の風疹ウイルス感染により、胎児が垂直感染し、難聴・眼障害・心奇形などの先天奇形が生じます。CRS(Congenital Rubella Syndrome)として典型的な胎児期発生疾患です。
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【試験対策ポイント】
胎児期発生疾患 vs 遺伝性疾患の区別
| 分類 | 発症メカニズム | 例 |
|---|---|---|
| 胎児期発生疾患 | 妊娠中の感染・環境要因→胎児への直接障害 | 先天性梅毒、クレチン症、先天性風疹症候群、先天性トキソプラズマ症 |
| 染色体異常 | 受精時に既に存在する数的・構造的異常 | ダウン症、ターナー症候群、クラインフェルター症候群 |
| 遺伝病 | 両親から継承された遺伝情報に基づく先天性疾患 | ミトコンドリア病、血友病、嚢胞性線維症 |
重要ワード集
- TORCH感染症:妊娠中に胎児に重篤な影響を与える感染症の総称
(T=Toxoplasma、O=Others含む梅毒、R=Rubella、C=CMV、H=Herpes simplex)
- 先天奇形の臨界期:妊娠3〜8週(特に妊娠早期が重要)
- クレチン症:「発