第20回 言語聴覚士国家試験 第7問
第20回 言語聴覚士国家試験 第7問(内科学)の正答は 3 です。甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は甲状腺ホルモンの過剰分泌により全身の代謝が亢進する病態である。
- 1.徐 脈
- 2.皮膚乾燥
- 3.体重減少 ✓
- 4.寒がり
- 5.精神機能鈍麻
正答:3番
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は甲状腺ホルモンの過剰分泌により全身の代謝が亢進する病態である。甲状腺ホルモンは熱産生・酸素消費・基礎代謝を高めるため、エネルギー消費が増えて、食欲があっても体重が減少するのが典型。症状は「活発・熱い・速い」方向に揃うと整理すると、各選択肢の正誤を機序から一気に判別できる。
【各選択肢の解説】
1.徐 脈
❌ 誤り。代謝亢進と交感神経系の刺激により心拍数が増え、頻脈・動悸となる。安静時でも脈が速く、心房細動を合併することもある。徐脈は機能低下症の症状。
2.皮膚乾燥
❌ 誤り。熱産生の増加で体温を逃がそうと発汗が増え、皮膚は湿潤で温かい。逆に乾燥・冷感・脱毛は甲状腺ホルモン不足の機能低下症でみられる所見である。
3.体重減少
✅ 正しい(=正答)。基礎代謝が亢進してエネルギー消費が増えるため、食欲が保たれて摂取量が増えても消費が上回り、体重が減少する。やせと食欲亢進の併存が特徴。
4.寒がり
❌ 誤り。熱産生が増えるため暑がり・暑熱不耐となり、発汗も増える。寒がり・低体温は熱産生が落ちる機能低下症の症状で、亢進症とは逆向き。
5.精神機能鈍麻
❌ 誤り。中枢神経も興奮方向に傾き、いらいら・落ち着きのなさ・不眠・手指振戦など精神活動の亢進がみられる。鈍麻・無気力・抑うつは機能低下症の特徴。
【試験対策ポイント】
亢進症と低下症は症状が鏡像になる。代謝が上がるか下がるかという一つの軸で全症状を導けるので、丸暗記でなく機序で理解する。
| 症状 | 亢進症 | 低下症 |
|---|---|---|
| 脈拍 | 頻脈 | 徐脈 |
| 皮膚 | 湿潤・温かい | 乾燥・冷たい |
| 体温感覚 | 暑がり | 寒がり |
| 体重 | 減少 | 増加 |
| 精神活動 | 興奮・いらいら | 鈍麻・無気力 |
バセドウ病の眼球突出・甲状腺腫・頻脈(メルゼブルク三徴)、機能低下症(橋本病など)の粘液水腫・嗄声・徐脈も、それぞれ代謝が上がる/下がる方向の現れとして押さえると忘れにくい。
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