第20回 言語聴覚士国家試験 第8問
小児科学第20回
運動発達と言語発達がともに遅れることが多いのはどれか。
- 1.脳性麻痺 ✓
- 2.難 聴
- 3.学習障害
- 4.注意欠陥╱多動性障害
- 5.口唇裂
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 脳性麻痺
脳性麻痺は、周産期の脳損傷による運動制御障害であり、運動発達の遅延は本質的な症状です。同時に、粗大運動や微細運動の制限が食事・探索活動を制限し、言語発達に必要な環境との相互作用や音声模倣の機会を奪うため、言語発達もともに遅れることが多くなります。特に重度の四肢麻痺では両者の遅延が著しい。
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【各選択肢の解説】
1. 脳性麻痺
✅ 正しい。脳性麻痺は周産期脳損傷による運動障害であり、定義から運動発達遅延を伴います。また、移動能力・把握能力の制限により、環境との相互作用が限定され、言語獲得の機会が減少するため、言語発達も二次的に遅れやすくなります。
2. 難聴
❌ 誤り。難聴の一次的障害は音声情報の入力欠損であり、言語発達に著しい影響を与えます。しかし運動発達そのものは(補聴や手話教育を受けていない場合を除き)基本的に正常に推移することが多いため、「ともに遅れることが多い」という条件に合致しません。
3. 学習障害(LD)
❌ 誤り。LDは読み書き計算などの特定学習領域の困難であり、IQは正常範囲内です。運動発達は通常正常であり、言語発達も全体的には遅れません(特定の学習スキルのみ困難)。定義から「運動発達がともに遅れる」という特徴がありません。
4. 注意欠陥/多動性障害(ADHD)
❌ 誤り。ADHDは行動・実行機能の障害であり、運動発達も言語発達も生物学的には遅延しません。多動傾向や注意散漫により学習成果が落ちる可能性はありますが、発達の「遅れ」そのものではなく、発達の質的偏りです。
5. 口唇裂
❌ 誤り。口唇裂は主に構音障害(特に/p//b/音)をもたらし、音声生成の機械的障害です。一次的な運動発達遅延はありません。言語理解や語彙発達は正常で、音声表出の質的問題にとどまることが多いため、「ともに遅れることが多い」という説明に該当しません。
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【試験対策ポイント】
「運動発達と言語発達がともに遅れる」→中枢神経系の全般的機能障害を示唆
| 疾患 | 運動発達 | 言語発達 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 脳性麻痺 | ↓↓ | ↓↓ | 脳損傷→直接的運動障害&二次的環境相互作用制限 |
| 難聴 | ↑正常 | ↓↓ | 聴覚入力欠損のみ |
| LD | ↑正常 | ↑正常* | 特定学習領域のみ困難 |
| ADHD | ↑正常 | ↑正常 | 発達の質的偏り(遅れではない) |
| 口唇裂 | ↑正常 | ↑正常** | 構音障害のみ |
*LD:読み書き計算の困難。言語理解・表現は基本的に正常
**口唇裂:音声表出の機械的問題。理解・語彙は正常
キーワード:
- 脳性麻痺=「両者が同時に遅れる唯一の選択肢」
- 二次的言語発達遅延:運動制限→学習機会減少の連鎖
- 他の