STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第79問

器質性構音障害第20回
側音化構音について正しいのはどれか。 a.ア列音にみられる b.オ列音にみられる c.イ列音にみられる d.[s,ts,dz]にみられる e.[t,d]にみられる 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — c,d 側音化構音とは、摩擦音などが、舌中央の狭めの代わりに舌側部で狭めを形成することで出現する構音誤りです。典型的には[s]や[ts]などの音が側音化し、イ列音(特に「シ」など)や[s,ts,dz]の音で認められます。 --- 【各選択肢の解説】 a. ア列音にみられる ❌ 誤り。側音化構音は低い舌位を必要とする音(イ列やウ列)では見られにくく、特にアのような広い開口を伴う音では舌側部を狭めることが困難なため発生しません。 b. オ列音にみられる ❌ 誤り。オ列は唇を丸めた開口音で、側音化構音の典型的な対象ではありません。舌が側方に移動する側音化は、舌の位置が限定される高舌位の音で生じやすいです。 c. イ列音にみられる ✅ 正しい。イ列音(「シ」など)は高舌位で前舌を盛り上げる音であり、舌側部を狭めて摩擦を形成する側音化が典型的に見られます。 d. [s,ts,dz]にみられる ✅ 正しい。[s]は典型的な摩擦音、[ts]と[dz]は破擦音であり、これらはいずれも舌中央で狭めを形成する音です。側音化により舌側部に狭めが移行し、構音誤りが生じます。 e. [t,d]にみられる ❌ 誤り。[t,d]は破裂音であり、舌による狭めではなく閉鎖を伴う音です。側音化は狭めが側方に移行する現象なため、元々狭めを形成しない破裂音では典型的には起こりません。 --- 【試験対策ポイント】 側音化構音の特徴 | 項目 | 内容 | |---|---| | 定義 | 摩擦音・破擦音の舌中央の狭めが、舌側部の狭めに移行する誤り | | 対象音 | 摩擦音([s])、破擦音([ts,dz])、および高舌位母音(イ列)での側音化が典型的 | | 舌の動き | 舌中央→舌側部への位置ずれ | | 非対象音 | 破裂音([t,d])や開口度が大きい音(ア、オ列)では見られない | 頻出誤概念: - 破裂音([t,d])も側音化すると思い込む→破裂音は狭めではなく閉鎖なので該当しない - すべての母音で側音化が起こると思う→高舌位のイ列が典型的
関連

▶ 第20回 全問一覧

▶ 器質性構音障害 の過去問一覧