第20回 言語聴覚士国家試験 第9問
言語発達障害学第20回
自閉スペクトラム障害について誤っているのはどれか。
- 1.人に対する興味が少ない。
- 2.反復的な言葉を用いる。
- 3.特定の習慣にこだわる。
- 4.身振りによる意思伝達は円滑である。 ✓
- 5.手や指の同じ動作を繰り返す。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 身振りによる意思伝達は円滑である。
自閉スペクトラム障害(ASD)では、非言語的コミュニケーション能力も障害されており、身振りや指さし、顔の表情、視線接触などの使用が困難です。むしろ身振りによる意思伝達は**不円滑**であることが特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 人に対する興味が少ない。
✅ 正しい。ASDでは対人交流への関心が低く、他者への関心や共感的理解の困難が中核症状の一つです。
2. 反復的な言葉を用いる。
✅ 正しい。オウム返し(即時エコラリア)や自分の好みの言葉の繰り返し(遅延エコラリア)など、反復的で常同的な言語使用が特徴です。
3. 特定の習慣にこだわる。
✅ 正しい。限定的で反復的な行動パターンへの強いこだわりは、ASDの診断基準の重要な項目です。物の並べ方や日課の変更への抵抗が典型例です。
4. 身振りによる意思伝達は円滑である。
❌ 誤り。ASDでは非言語的コミュニケーション(指さし、身振り、顔表情、視線接触)が著しく障害されており、身振りによる円滑な意思伝達はむしろ困難です。
5. 手や指の同じ動作を繰り返す。
✅ 正しい。ステレオタイピー(固定された反復運動)として、手をひらひらさせたり、指をこすったり、回転させるなどの常同的運動が認められます。
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【試験対策ポイント】
ASDの3つの中核障害領域:
| 領域 | 具体例 |
|---|---|
| 社会的相互作用の障害 | 人への関心低下、視線接触困難、共感困難 |
| コミュニケーション障害 | 言語・非言語コミュニケーション困難、エコラリア |
| 限定的・反復的行動 | こだわり、常同運動、手の同じ動作 |
非言語コミュニケーション障害の具体例:
・指さし困難(共同注視の障害)
・身振りの少なさ
・顔表情が乏しい
・視線接触の回避
キーワード:「ASDは全コミュニケーション様式が障害される」→言語のみならず身振りも困難という点が重要