STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第81問

形成外科学第20回
口蓋裂児の経過観察項目として必要性が低いのはどれか。
  1. 1.聴 覚
  2. 2.摂食・嚥下
  3. 3.嗅 覚 ✓
  4. 4.言語発達
  5. 5.構 音

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 嗅覚 口蓋裂児の主な合併症は聴覚障害、摂食・嚥下障害、言語発達遅滞、構音障害であり、これら4つは口蓋裂に直結する経過観察項目です。一方、嗅覚は口蓋裂の直接的な影響を受けず、臨床的に重要な合併症ではないため、経過観察の優先度が著しく低くなります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 聴覚 ✅ 正しい。口蓋裂では口蓋張筋の異常により耳管機能が低下し、中耳炎を続発しやすく、伝音難聴に至ることが多い。聴覚管理は言語発達に直結する重要項目です。 2. 摂食・嚥下 ✅ 正しい。口蓋が形成不全であると、食物が鼻腔へ逆流(鼻咽腔閉鎖不全)し、誤嚥や栄養摂取不良を招く。新生児期からの栄養管理と嚥下評価は必須です。 3. 嗅覚 ❌ 誤り(選択肢として正答)。口蓋裂の解剖学的異常は口腔・咽頭・耳管に限定され、嗅覚器(嗅上皮・嗅球)の機能障害は直接的には生じません。臨床的な経過観察対象外です。 4. 言語発達 ✅ 正しい。口蓋裂の直接的な結果として構音器官の形態異常があり、言語発達の遅滞や偏差が起こりやすい。発達評価は最重要項目です。 5. 構音 ✅ 正しい。口蓋が不完全であると、鼻腔共鳴による開鼻声(hypernasal voice)や構音不明瞭が生じます。ST介入による言語訓練は口蓋裂管理の中核です。 --- 【試験対策ポイント】 口蓋裂児の主要な合併症と観察項目 | 観察項目 | 理由 | 時期 | |---|---|---| | 聴覚 | 耳管機能低下→中耳炎→伝音難聴 | 新生児期から定期的 | | 摂食・嚥下 | 鼻咽腔閉鎖不全→鼻腔逆流・誤嚥 | 授乳期から厳密に管理 | | 言語発達 | 言語習得遅滞の予防 | 1歳前から定期評価 | | 構音 | 開鼻声・音韻異常 | 1歳半以降の訓練対象 | | **嗅覚** | **解剖学的に無関係** | **観察不要** | 嗅覚障害が起こらない理由 - 嗅上皮は上鼻甲介上方に位置(鼻腔奥深く) - 口蓋裂の異常は硬口蓋・軟口蓋に限定 - 嗅覚器への直接的影響なし
関連

▶ 第20回 全問一覧

▶ 形成外科学 の過去問一覧