STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第88問

吃音第20回
吃音中核症状でないのはどれか。 a.挿 入 b.回 避 c.阻止(ブロック) d.引き伸ばし e.語句の繰り返し 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,b,e 吃音の中核症状は、言語産出時に直接現れる不随意的な異常で、VAN Riper分類では「反復」「延長」「ブロック」の3つです。「挿入」と「語句の繰り返し」は随意的な二次症状であり、「回避」は吃音に対する認識・対処行動を示す関連症状です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 挿 入 ❌ 誤り。「挿入」(fillers:「えっと」「あの」などの挿入語)は二次症状です。吃音者が言葉を発話する際の難しさに対応するために随意的に行う習癖であり、中核症状ではありません。 b. 回 避 ❌ 誤り。「回避」(avoidance)は吃音に対する認識から生じる関連症状です。特定の音や状況を避ける行動や、話題を変える、沈黙するなど、吃音そのものではなく吃音の悪化を予防するための行動です。 c. 阻止(ブロック) ✅ 正しい。「ブロック」(block)は中核症状です。音声が出ようとしても声帯や舌が緊張して音が出ない状態で、VAN Riperの3大中核症状に含まれます。 d. 引き伸ばし ✅ 正しい。「延長」(prolongation:引き伸ばし)は中核症状です。音を長く引き伸ばす症状で、「ぼ~く」のように最初の音を延ばす状態です。VAN Riperの3大中核症状の一つ。 e. 語句の繰り返し ❌ 誤り。「単語内反復」(within-word repetition)は中核症状ですが、「語句の繰り返し」は「フレーズ反復」(phrase repetition)または二次症状です。語全体の反復ではなく、語句や文が繰り返される場合は、吃音者の不安や修正試行を示す二次症状に分類されます。 --- 【試験対策ポイント】 吃音の症状分類 | 分類 | 症状 | 特徴 | |---|---|---| | **中核症状(primary)** | 反復(単語内反復) | 音・音節・単語の繰り返し(「ぼ・ぼ・ぼく」) | | | 延長(引き伸ばし) | 音を長く伸ばす(「ぼ~く」) | | | ブロック(阻止) | 音が出ない、のどが詰まる | | **二次症状(secondary)** | 挿入 | 「えっと」「あの」などの随意的な挿入語 | | | フレーズ反復 | 語句全体の繰り返し | | | 引き伸ばし変形 | 中核症状の修正行動 | | **関連症状** | 回避 | 難しい音や状況を避ける認識的行動 | | | 随伴症状 | 瞬き、体の緊張、顔面筋の動き | キーワード - 中核症状=直接現れる不随意的異常(3つ) - 二次症状=中核症状に対する随意的な対処行動 - 関連症状=吃音に対する認識・感情・行動 重要:「回避」は「吃音ではなく吃音への対処」 =認識が発達する学童期以降に顕著化する
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