STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第20回 言語聴覚士国家試験 第95問

聴力検査第20回
語音弁別検査について誤っているのはどれか。
  1. 1.67-S語表の一つの語表は同じ語音聴力レベルで聞かせる。
  2. 2.内耳性難聴ではロールオーバー現象がみられる。
  3. 3.67-S語表は音節35音で構成される。 ✓
  4. 4.後迷路性難聴では純音閾値に比し語音弁別能力が低下する。
  5. 5.正常耳では閾値上30~50dBの音圧で語音弁別能が100%となる。

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 67-S語表は音節35音で構成される。 67-S語表は「音節50音」で構成されています。「35音」は異なる検査法(例えば特定の簡略版)との混同が容易ですが、標準的な67-S語表の構成は50音節です。この選択肢は数値が誤っているため不正です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 67-S語表の一つの語表は同じ語音聴力レベルで聞かせる。 ✅ 正しい。67-S語表は複数の語表(通常25語×2語表)から構成されており、各語表は「同じ音圧レベル(同じdB)」で統一して検査を行い、同じ条件下での弁別能を評価するという設計になっています。 2. 内耳性難聴ではロールオーバー現象がみられる。 ✅ 正しい。内耳性難聴(感音難聴)は音圧を上げるとむしろ語音弁別能が低下する「ロールオーバー現象」(recruitment phenomenon)を示します。これは内耳障害の特徴的所見です。 3. 67-S語表は音節35音で構成される。 ❌ 誤り。67-S語表は「音節50音」で構成されています。35音は誤った数値であり、この記述が問題文中で唯一「誤っている」選択肢です。 4. 後迷路性難聴では純音閾値に比し語音弁別能力が低下する。 ✅ 正しい。後迷路性難聴(中枢性難聴・神経性難聴)は、純音閾値の低下度に比べて「言語認識能力(語音弁別能)が著しく低下する」ことが特徴です。不相応な低下が診断の手掛かりになります。 5. 正常耳では閾値上30~50dBの音圧で語音弁別能が100%となる。 ✅ 正しい。正常聴力者では、音声言語(通常60~70dB)の範囲内で、閾値上30~50dB程度の音圧により語音弁別能が最大(100%)に達します。音圧をさらに上げても改善しません。 --- 【試験対策ポイント】 語音弁別検査の重要知識 | 項目 | 内容 | |---|---| | 67-S語表構成 | 音節「50音」(25語×2語表) | | 検査音圧条件 | 各語表は「同じ音圧レベル」で統一 | | 正常耳の弁別能 | 閾値上30~50dBで100%に到達 | 難聴タイプと語音弁別能の特徴 | 難聴タイプ | 純音閾値 | 語音弁別能 | 特徴的所見 | |---|---|---|---| | 伝音難聴 | 低下 | ほぼ保持 | 相応的低下 | | 内耳性(感音難聴) | 低下 | 低下 | ロールオーバー現象あり | | 後迷路性(神経性) | 低下 | 著しく低下 | 不相応的低下が顕著 | 頻出の紛らわしいポイント - 67-S語表の「音節数」を問う問題では「50音」が正答であることが多い - 「35音」という数値は別の検査(簡略版や異なる検査法)との混同に注意 - ロールオーバー現象は「内耳性難聴の特徴」であり、後迷路性とは区別 - 後迷路性難聴での「不相応な低下」は、純音聴力と言語理解力のギャップが大きい状態
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