第21回 言語聴覚士国家試験 第100問
小児聴覚障害第21回
アッシャー症候群で正しいのはどれか。
- 1.中枢性難聴を伴う。
- 2.常染色体優生遺伝形式をとる。
- 3.難聴の程度は軽度から重度まで幅広い。 ✓
- 4.四肢の感覚障害を合併する。
- 5.視覚障害の原因は網膜黄斑変性症である。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 難聴の程度は軽度から重度まで幅広い。
アッシャー症候群は視覚障害と聴覚障害を合併する遺伝性疾患で、最も一般的な視聴覚二重障害の原因です。難聴の程度は個体差が大きく、軽度から聾(重度)までの幅広いスペクトラムを示すことが特徴です。発症型(1型~3型)によって進行パターンが異なりますが、いずれの型でも難聴の程度には多様性があります。
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【各選択肢の解説】
1. 中枢性難聴を伴う。
❌ 誤り。アッシャー症候群に伴う難聴は感音難聴(内耳性)であり、中枢性難聴ではありません。前庭障害を伴う場合もありますが、中枢聴覚神経路の障害ではありません。
2. 常染色体優生遺伝形式をとる。
❌ 誤り。アッシャー症候群の大多数は常染色体劣性遺伝形式です。常染色体優性遺伝形式は稀です。劣性遺伝のため、保因者である両親は表現型を示さない場合がほとんどです。
3. 難聴の程度は軽度から重度まで幅広い。
✅ 正しい。これはアッシャー症候群の重要な特徴です。症例によって軽度の感音難聴から聾まで、多様な難聴程度が認められます。遺伝子型の多様性と環境因子が影響します。
4. 四肢の感覚障害を合併する。
❌ 誤り。アッシャー症候群の主要な臨床症状は難聴と進行性の視覚障害(網膜色素変性)です。四肢の感覚障害は本症候群の特徴的な合併症ではありません。
5. 視覚障害の原因は網膜黄斑変性症である。
❌ 誤り。アッシャー症候群に伴う視覚障害の原因は網膜色素変性症(RP)です。網膜黄斑変性症(AMD)ではなく、進行性で、周辺視野から喪失が進みやがて中心視野も侵される特徴があります。
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【試験対策ポイント】
アッシャー症候群の3つの発症型:
| 特徴 | 1型 | 2型 | 3型 |
|---|---|---|---|
| 難聴発症 | 先天性 | 先天性 | 成人発症(可変) |
| 難聴の程度 | 重度~聾 | 軽度~中等度 | 軽度~中等度 |
| 前庭障害 | あり | なし | 軽度 |
| 網膜色素変性 | あり | あり | あり |
| RPの発症年齢 | 幼児期 | 青年期 | 成人後 |
視聴覚二重障害の鑑別:
- アッシャー症候群:難聴+網膜色素変性、常染色体劣性遺伝
- 風疹症候群:先天性白内障・難聴・心奇形、内的コンパートメント欠如
- Refsum病:末梢神経障害・歩行障害・網膜色素変性、脂肪酸代謝異常