第21回 言語聴覚士国家試験 第101問
医学総論第21回
感染症対策で誤っているのはどれか。
- 1.標準予防策ではすべての患者を対象とする。
- 2.痰は湿性生体物質である。
- 3.空気感染では手洗いを重視する。 ✓
- 4.ドアのノブからの感染は間接感染である。
- 5.個人保護具を脱ぐときは最初に手袋を外す。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 空気感染では手洗いを重視する
空気感染は飛沫核による感染経路であり、主な防止手段は「マスク装着(N95マスク)による吸入防止」です。手洗いは接触感染・飛沫感染の予防に重要ですが、空気感染では手洗いを重視する必要がありません。空気感染の対策は「換気」と「呼吸器防具」が中心です。
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【各選択肢の解説】
1. 標準予防策ではすべての患者を対象とする
✅ 正しい。標準予防策は患者の感染症の有無に関わらず、すべての患者に適用される基本的な感染予防策です。血液・体液・分泌物を感染リスクありとして扱います。
2. 痰は湿性生体物質である
✅ 正しい。痰は呼吸器からの分泌物で「湿性生体物質」に分類されます。標準予防策では唾液を含むすべての湿性物質が感染性ありとして扱われます。
3. 空気感染では手洗いを重視する
❌ 誤り。空気感染は飛沫核(5μm以下)による経路であり、手指を介さないため手洗いは効果的ではありません。対策は「N95マスク」「隔離病室」「換気」が中心です。飛沫感染や接触感染では手洗いが重要です。
4. ドアのノブからの感染は間接接触感染である
✅ 正しい。ドアノブなど環境表面を介した感染は「間接接触感染」です。直接接触感染と区別されます。
5. 個人保護具を脱ぐときは最初に手袋を外す
✅ 正しい。PPE脱衣の標準順序は「手袋→ガウン→マスク→眼鏡」です。最初に最も汚染している手袋を外し、最後に顔から離す眼鏡を脱ぎます。
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【試験対策ポイント】
感染経路の対比
| 感染経路 | 粒子サイズ | 主な対策 | 手洗い効果 |
|---|---|---|---|
| 空気感染 | 5μm以下(飛沫核) | N95マスク・隔離・換気 | 低い |
| 飛沫感染 | 5μm以上 | サージカルマスク・1m以上距離 | 重要 |
| 接触感染 | 直接/間接 | 手洗い・PPE着用 | 最重要 |
標準予防策の三大要素
- 全患者を対象(感染症有無に関わらず)
- 湿性物質は全て感染リスクあり
- 接触感染・飛沫感染・空気感染すべてに対応
紛らわしい否定知識
- 気管切開術そのものは誤嚥を防がない(誤嚥防止と誤嚥吸引は別)
- 空気感染でも「環境表面の消毒」は必要だが「手洗い」は不要
- 空気感染のマスクはサージカルマスク不可(医療従事者がN95、患者は一般マスク)