第21回 言語聴覚士国家試験 第109問
精神医学第21回
統合失調症の治療について誤っているのはどれか。
- 1.急性期の治療は薬物療法を中心に行う。
- 2.病状の安定期には精神分析療法が有効である。 ✓
- 3.リハビリテーションではストレスマネジメントや社会生活技能訓練を行う。
- 4.病状が消えた後も再発予防のため長期薬物療法を維持する。
- 5.通院治療を継続するために自立支援医療制度を利用する。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 病状の安定期には精神分析療法が有効である
統合失調症の治療には薬物療法が基本であり、安定期であっても精神分析療法は推奨されません。精神分析療法は神経症性障害(不安障害など)に適応される心理療法であり、統合失調症患者に対しては病状の悪化を招く可能性があるため適切ではありません。統合失調症の安定期では、むしろ支持的精神療法や心理社会的介入(認知行動療法など)が選択されます。
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【各選択肢の解説】
1. 急性期の治療は薬物療法を中心に行う
✅ 正しい。統合失調症の急性期治療では、抗精神病薬(定型・非定型)による薬物療法が最優先されます。急性症状(幻覚・妄想など)を迅速に軽減するためには薬物療法が不可欠です。
2. 病状の安定期には精神分析療法が有効である
❌ 誤り。精神分析療法は統合失調症に対して推奨されません。精神分析的アプローチは無意識への深い介入を伴うため、統合失調症患者では現実検討能力が損なわれており、症状の悪化や治療的信頼関係の崩壊につながる危険性があります。安定期には支持的精神療法や認知行動療法(CBTp)が選択されます。
3. リハビリテーションではストレスマネジメントや社会生活技能訓練を行う
✅ 正しい。統合失調症の長期管理において、心理社会的リハビリテーションは重要な役割を果たします。ストレスマネジメント、社会生活技能訓練(SST)、職業訓練などにより、再発予防と社会復帰を促進します。
4. 病状が消えた後も再発予防のため長期薬物療法を維持する
✅ 正しい。統合失調症は高い再発率を有する疾患です。症状が軽快した後も維持薬物療法を継続することで、再発率を著しく低下させることができます。急激な中断は再発の大きなリスク要因となります。
5. 通院治療を継続するために自立支援医療制度を利用する
✅ 正しい。自立支援医療制度は、統合失調症などの精神疾患患者の医療費負担を軽減し(通常3割→1割の自己負担)、継続的な通院治療を促進するための重要な社会保障制度です。
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【試験対策ポイント】
統合失調症の治療レベル別アプローチ
| 治療段階 | 主な介入 | 具体例 |
|---|---|---|
| 急性期 | 薬物療法(優先) | 抗精神病薬・環境調整 |
| 安定期 | 薬物療法+心理社会的介入 | 支持的精神療法・CBTp・SSTなど |
| 慢性期 | 維持薬物療法+リハビリ | 社会復帰プログラム・職業訓練 |
精神分析療法と統合失調症の相性:
- 精神分析療法→神経症性障害(不安障害・強迫性障害など)に適応
- 統合失調症→深い無意識への介入は危険(現実検討能力が低下しているため)
- 統合失調症の心理療法→支持的精神療法・認知行動療法(CBTp)・SSTが推奨
統合失調症の薬物療法継続が必須の理由:
- 急激な中断で再発率が大幅に上昇(75~80%)
- 維持療法で再発率を20~30%程度に低下させることが可能
- 長期的には症状軽快後も10年以上の継続が推