第21回 言語聴覚士国家試験 第115問
形成外科学第21回
舌の広範囲切除後に、マイクロサージャリーを用いた遊離組織移植として再建に用いられる筋皮弁はどれか。
- 1.腹直筋皮弁 ✓
- 2.大胸筋皮弁
- 3.大殿筋皮弁
- 4.薄筋皮弁
- 5.腓腹筋皮弁
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 腹直筋皮弁
舌の広範囲切除後の再建において、腹直筋皮弁はマイクロサージャリーによる遊離組織移植として最も適切です。血管茎が確実で長く、筋量が豊富で口腔内の形態再建と機能(咀嚼・嚥下補助)の回復に優れているため、遊離移植の第一選択となります。
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【各選択肢の解説】
1. 腹直筋皮弁
✅ 正しい。腹直筋皮弁は腹壁下動脈を血管茎とする安定した栄養血管を有し、遊離移植に適しています。筋量が大きく、口腔内の立体的な再建に優れ、舌の広範囲欠損に対する遊離筋皮弁の標準的選択です。
2. 大胸筋皮弁
❌ 誤り。大胸筋皮弁は胸肩峰動脈を血管茎とする有茎皮弁(転移皮弁)として有用ですが、マイクロサージャリーによる遊離移植には血管茎の長さと形態が遊離移植には不向きです。また広範囲再建に必要な筋量が相対的に不足します。
3. 大殿筋皮弁
❌ 誤り。大殿筋皮弁は採取部位の解剖学的位置(臀部)から、舌再建の際のマイクロサージャリー遊離移植としては実用的ではありません。血管茎の長さは得られますが、筋の性質と採取の侵襲性から第一選択にはなりません。
4. 薄筋皮弁
❌ 誤り。薄筋は幅が狭く筋量が限定的であるため、舌の広範囲切除後の体積的な再建には不適切です。血管茎(浅大腿動脈)は利用可能ですが、筋の大きさと機能回復の観点から不適切です。
5. 腓腹筋皮弁
❌ 誤り。腓腹筋皮弁は下肢の再建に用いられ、採取部位が舌再建に比べて距離が遠くなります。また舌の機能再建(咀嚼筋補助)に必要な筋の質量と神経支配の復旧が困難です。
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【試験対策ポイント】
遊離組織移植(マイクロサージャリー)と有茎皮弁の使い分け
| 特性 | 遊離移植(マイクロサージ) | 有茎皮弁(転移) |
|---|---|---|
| 血管吻合 | 必須(顕微鏡下) | 不要 |
| 適用部位 | 広い | 距離制限あり |
| 舌再建での選択 | 腹直筋皮弁(第一選択) | 大胸筋皮弁など |
| 血管茎の要件 | 長さ・太さ確保 | 有茎で到達可能 |
舌再建で遊離移植を選択する理由
- 広範囲欠損で有茎皮弁の到達が困難
- 腹直筋は栄養血管(腹壁下動脈)が長く、径が適切
- 筋量が豊富で口腔内の立体的再建が可能
- 神経再生により機能改善の余地あり
有茎皮弁との区別
- 大胸筋皮弁(胸肩峰動脈):有茎皮弁として頚部・頭部の比較的限局した欠損に適応
- 舌の広範囲欠損 → マイクロサージャリーによる遊離移植が必須
- 患者の年齢や全身状態により有茎皮弁の選択もあるが、若年