第21回 言語聴覚士国家試験 第119問
音声障害第21回
声帯の内転・外転運動の観察に適した発声はどれか。
- 1.「エ-」(持続発声)
- 2.「シ-」(持続発声)
- 3.「ム...」(ハミング発声)
- 4.「ヘッヘッヘッヘッヘッ」(ゆっくり反復) ✓
- 5.「パタカパタカパタカ」(すばやく反復)
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 「ヘッヘッヘッヘッヘッ」(ゆっくり反復)
声帯の内転・外転運動の動きを最も明確に観察するには、繰り返し発声時に声帯を断続的に開閉させることが重要です。「ヘッヘッヘッヘッヘッ」のようにゆっくりとした反復発声によって、声帯の開く動き(外転)と閉じる動き(内転)が個別に、かつ明確に可視化されます。これにより、声帯の運動機能(特に麻痺や動きの制限)が診断できます。
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【各選択肢の解説】
1. 「エ-」(持続発声)
❌ 誤り。持続発声では声帯が閉じたまま振動し続けるため、内転・外転の動きを観察することができません。声帯の緊張や閉鎖状態の評価には適していますが、「動き」を見る目的には不適切です。
2. 「シ-」(持続発声)
❌ 誤り。「シ-」は無声音であり、声帯は離れた状態で呼気流を通します。そのため声帯の内転・外転運動を観察することができません。呼気流の流れの良好性は評価できますが、声帯運動評価には不向きです。
3. 「ム...」(ハミング発声)
❌ 誤り。ハミング発声では口腔が閉鎖され、声帯の振動は観察できますが、声帯が常に閉鎖状態にあるため、内転・外転の「動き」を断続的に観察することができません。音声品質評価には有用ですが、運動観察には不適切です。
4. 「ヘッヘッヘッヘッヘッ」(ゆっくり反復)
✅ 正しい。ゆっくりとした反復発声により、各音節ごとに声帯が開く(外転)→閉じる(内転)というサイクルが繰り返されます。この開閉運動が明確に分離されるため、喉頭鏡やビデオ喉頭鏡で声帯の動きを個別に観察・記録することが最適です。反回神経麻痺などで一側の声帯が固定していないか判定する標準的な検査方法です。
5. 「パタカパタカパタカ」(すばやく反復)
❌ 誤り。すばやい反復発声は、声帯運動が素早く進行するため、内転・外転の動きが個別に観察しにくくなります。むしろ構音運動(舌や唇の動き)や発語速度の評価に適した検査法です。声帯運動の詳細な観察には「速度が速すぎる」という欠点があります。
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【試験対策ポイント】
声帯運動観察の原則:
| 発声方法 | 観察内容 | 用途 |
|---|---|---|
| 持続発声(「エ-」など) | 声帯閉鎖・振動 | 音声品質、喉頭全体の形態 |
| ゆっくり反復(「ヘッヘッ」) | 内転・外転の個別動き | 声帯運動機能、神経麻痺診断 |
| すばやい反復(「パタカ」) | 構音運動、速度 | 構音機能、発語明瞭度 |
| ハミング(「ム...」) | 音声品質(軟口蓋挙上なし) | 開鼻声の有無判定 |
| 無声音(「シ-」) | 呼気流 | 喉頭通気性 |
キーワード:
- 「ヘッヘッ」=反回神経麻痺(特に一側性)の評価に必須
- 「動きの観察」には「断続的・