STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第121問

聴覚系第21回
伝音難聴の診断に用いないのはどれか。
  1. 1.Tone decay検査 ✓
  2. 2.ティンパノメトリ
  3. 3.聴性脳幹反応
  4. 4.耳小骨筋反射検査
  5. 5.語音聴力検査

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — Tone decay検査 Tone decay検査は感音難聴(特に後迷路性難聴)のスクリーニング検査であり、伝音難聴の診断には用いられません。伝音難聴の診断には気骨導差の測定と、その原因特定に必要な他の検査が用いられます。 --- 【各選択肢の解説】 1. Tone decay検査 ❌ 誤り(不適切)。後迷路性難聴(脳幹・聴神経病変など)を検出するための検査であり、伝音難聴診断には役立ちません。伝音難聴では正常な結果が得られるため、診断的価値がありません。 2. ティンパノメトリ ✅ 正しい。中耳腔のコンプライアンスと耳小骨筋反射の有無を測定し、中耳機能を評価します。A型は正常、As型は耳硬化症(耳小骨固着)、Ad型は耳小骨連鎖離断を示唆し、伝音難聴の原因診断に必須です。 3. 聴性脳幹反応(ABR) ✅ 正しい。気骨導差の客観的測定に用いられます。骨導ABRの閾値上昇=気導ABRの閾値維持で気骨導差が客観的に確認でき、伝音難聴の診断に有用です。 4. 耳小骨筋反射検査 ✅ 正しい。中耳機能を反映し、アブミ骨筋反射(顔面神経VII支配)の有無と減衰の有無から伝音難聴の有無と程度を評価できます。消失は中耳疾患を強く示唆します。 5. 語音聴力検査 ✅ 正しい。伝音難聴では気導の語音明瞭度が低下しますが、骨導での明瞭度は良好です。気導と骨導の明瞭度差から伝音難聴の有無を判定でき、診断補助に用いられます。 --- 【試験対策ポイント】 | 検査項目 | 伝音難聴での活用 | 評価内容 | |---|---|---| | ティンパノメトリ | ◎ 必須 | 中耳機能・耳小骨可動性 | | 耳小骨筋反射 | ◎ 必須 | 中耳伝音機構の完全性 | | 語音聴力検査 | ○ 補助 | 気骨導差の確認 | | ABR(骨導) | ○ 補助 | 客観的気骨導差測定 | | Tone decay検査 | ✗ 不適切 | 後迷路性難聴検出 | 感音難聴 vs 伝音難聴の診断検査 - 感音難聴診断:Tone decay検査、ABLB検査 - 伝音難聴診断:ティンパノメトリ、耳小骨筋反射、語音聴力(気骨導差)、ABR骨導 Tone decay検査の役割 感音難聴の性質を調べるための検査(後迷路性か蝸牛性か)であり、伝音難聴の有無を判定する検査ではない点が重要です。
関連

▶ 第21回 全問一覧

▶ 聴覚系 の過去問一覧