第21回 言語聴覚士国家試験 第122問
生理学第21回
大脳皮質細胞の興奮性神経伝達物質はどれか。
- 1.ノルアドレナリン
- 2.ドパミン
- 3.セロトニン
- 4.グルタミン酸 ✓
- 5.γ-アミノ酪酸
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — グルタミン酸
グルタミン酸は大脳皮質において最も重要な興奮性神経伝達物質です。脳全体の神経伝達の大多数がグルタミン酸による興奮性シナプス伝達であり、学習や記憶、神経可塑性を支えています。
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【各選択肢の解説】
1. ノルアドレナリン
❌ 誤り。ノルアドレナリンは中枢神経系では覚醒、注意、報酬系に関与する神経伝達物質ですが、大脳皮質の主要な興奮性伝達物質ではありません。青斑核から投射される神経調節物質です。
2. ドパミン
❌ 誤り。ドパミンは運動制御、報酬、動機づけに関与しており、黒質線条体系やA10系などで重要ですが、大脳皮質全体の基本的な興奮性伝達物質ではありません。むしろ神経調節的な役割です。
3. セロトニン
❌ 誤り。セロトニンは気分、睡眠、感情調節に関与する神経伝達物質ですが、大脳皮質での興奮性伝達物質ではありません。中縫線核から広範に投射される神経調節物質です。
4. グルタミン酸
✅ 正しい。グルタミン酸はNMDA受容体とAMPA受容体を介した興奮性シナプス伝達を仲介し、脳全体の神経伝達の約90%を占めます。長期増強(LTP)による学習メカニズムの中心です。
5. γ-アミノ酪酸(GABA)
❌ 誤り。GABAは脳における主要な抑制性神経伝達物質です。グルタミン酸による興奮を制御し、神経回路のバランスを保つ重要な役割を担っていますが、興奮性ではありません。
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【試験対策ポイント】
中枢神経系の主要神経伝達物質の分類
| 神経伝達物質 | 性質 | 分布・機能 |
|---|---|---|
| グルタミン酸 | 興奮性 | 脳全体90%以上。学習・記憶・LTP |
| GABA | 抑制性 | 脳・脊髄。興奮抑制・拮抗 |
| アセチルコリン | 興奮性 | 脊髄・筋肉・認知 |
| ノルアドレナリン | 調節性 | 覚醒・注意・青斑核 |
| ドパミン | 調節性 | 報酬・運動制御・黒質線条体 |
| セロトニン | 調節性 | 気分・睡眠・中縫線核 |
キーワード:
- グルタミン酸の受容体:NMDA(Mg2+塞栓・Ca2+透過性高い)・AMPA・カイニン酸型
- LTP(長期増強):NMDA受容体のCa2+内流が引き金
- 興奮性と抑制性のバランス:これが破綻するとてんかんなど神経疾患