STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第133問

生涯発達心理学第21回
誤っている組合わせはどれか。 a.3つ山問題 ― 対象の永続性 b.視覚的断崖の実験 ― 奥行き知覚 c.サリーとアンの実験 ― 誤信念 d.ストレンジ・シチュエーション法 ― アタッチメント e.馴化・脱順化法 ― 友人関係 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 3つ山問題は「視点の取得」(他者の視点を理解する能力)を測定する課題であり、対象の永続性ではなくピアジェの具体的操作期前期の中心化・自己中心性の評価に用いられます。また馴化・脱順化法は新生児の知覚・認知能力(音声弁別など)を測定する方法であり、友人関係測定には該当しません。これら2つが誤った組合わせです。 --- 【各選択肢の解説】 a. 3つ山問題 — 対象の永続性 ❌ 誤り。3つ山問題はピアジェが開発した課題で、測定対象は「視点の取得(他者の視点の理解)」です。自己中心性を評価するもので、対象の永続性(物体が視界から消えても存在し続けることへの理解)はこの課題では測定されません。 b. 視覚的断崖の実験 — 奥行き知覚 ✅ 正しい。エレノア・ギブソンが行った視覚的断崖実験は、生後6ヶ月以降の乳幼児が奥行き知覚を獲得しており、高い崖を避けるかどうかを観察した古典実験です。奥行き知覚の発達を測定する代表的な方法です。 c. サリーとアンの実験 — 誤信念 ✅ 正しい。バロン=コーエンらが開発したサリーとアンの実験は、心の理論(他者が自分と異なる信念を持つことを理解する能力)を測定します。特に「誤信念課題」として知られ、4~5歳で習得される発達段階の指標となります。 d. ストレンジ・シチュエーション法 — アタッチメント ✅ 正しい。メアリー・エインスワースが開発した手法で、乳幼児と養育者の分離・再会場面を観察してアタッチメント(愛着)のパターン(安定型・回避型・両価型)を測定する標準的な評価法です。 e. 馴化・脱順化法 — 友人関係 ❌ 誤り。馴化・脱順化法は新生児の知覚能力や認知能力(音声弁別、顔認識など)を測定する実験技法であり、友人関係の評価には用いられません。同じ刺激への反応が減少(馴化)し、異なる刺激で反応が回復(脱順化)する原理を利用しています。 --- 【試験対策ポイント】 課題名と測定対象の正確な対応: | 課題 | 測定対象 | 対象年齢 | |---|---|---| | 3つ山問題 | 視点取得(自己中心性) | 4~5歳頃 | | 視覚的断崖 | 奥行き知覚・恐怖 | 生後6ヶ月以降 | | サリーとアン | 心の理論・誤信念 | 4~5歳 | | ストレンジ・シチュエーション | アタッチメント類型 | 生後12~18ヶ月 | | 馴化・脱順化法 | 知覚弁別能力 | 新生児~乳幼児 | 対象の永続性(客体永続性)は「ピアジェの感覚運動期」の課題で、隠された物体を探す行動で測定されます。本問での頻出誤答ポイントは「3つ山問題=対象の永続性」と誤認すること。混同しやすいため発達段階と課題の対応を表で整理することが有効です。
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