STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第145問

言語発達学第21回
前言語期の三項関係を表す行動でないのはどれか。
  1. 1.giving
  2. 2.showing
  3. 3.reaching ✓
  4. 4.pointing
  5. 5.referential looking

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — reaching 前言語期の三項関係(トライアド)とは、乳幼児が「人・対象物・第三者」の3者の関係を認識し、共同注視や指差しを通じて意図的にコミュニケーションを図る能力です。reachingは対象物への一方的な接近であり、他者との相互作用を含まないため三項関係を表す行動ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 1. giving ✅ 正しい。物を他者に与える行動は、乳幼児が相手の反応を期待し、自分・対象物・相手の3者の関係を意識した典型的な三項関係行動です。12~18ヶ月に出現します。 2. showing ✅ 正しい。物を他者に見せる行動も、自分が相手に何かを知覚させようとする意図を含む三項関係行動です。givingと同時期に発達する共同注視の表現形式です。 3. reaching ❌ 誤り。対象物への接近・把握行動であり、他者との相互作用が不要です。二項関係(乳幼児と対象物)の段階の行動であり、第三者を含まないため三項関係ではありません。 4. pointing ✅ 正しい。指差しは三項関係行動の最も典型的な例です。乳幼児が指差しの対象物を他者も認識することを期待する意図的な共同注視行動で、9~12ヶ月から出現します。 5. referential looking ✅ 正しい。参照的注視とも呼ばれ、乳幼児が対象物を見た後、大人の顔を見て相手の反応を確認する行動です。社会的参照の基盤となる三項関係行動です。 --- 【試験対策ポイント】 前言語期の発達段階と行動タイプ | 段階 | 時期 | 特徴 | 例 | |---|---|---|---| | 二項関係 | 0~9ヶ月 | 乳幼児と対象物のみ | reaching、grasping、視線追従 | | 三項関係(初期) | 9~12ヶ月 | pointing、referential looking出現 | 指差し、大人の顔を見る | | 三項関係(確立期) | 12~18ヶ月 | giving、showing出現 | 物の受け渡し、見せる行動 | 三項関係の4要素チェックリスト - 自分(乳幼児自身)の意図性がある - 対象物の認識がある - 第三者(通常は大人)の存在がある - 相手の反応を期待・確認する行動がある 紛らわしい否定知識 reachingは「手を伸ばす」という動作が存在するため三項関係に見えやすいが、実際には一方的な接近であり他者を巻き込まないため除外されます。
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