STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第15問

臨床神経学第21回
レビー小体型認知症に比べ、アルツハイマー型認知症でより多くみられる症状はどれか。
  1. 1.幻 視
  2. 2.物盗られ妄想 ✓
  3. 3.レム睡眠行動異常
  4. 4.パーキンソン症状
  5. 5.認知機能の変動

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 物盗られ妄想 アルツハイマー型認知症(AD)ではメモリーシステムの障害(特に海馬体系の萎縮)が初期から顕著であり、物を置いた場所を忘れることから「物盗られ妄想」が生じやすい。一方、レビー小体型認知症(DLB)は視覚皮質の障害が中心であり、その他の神経症状はDBLでより顕著である。 --- 【各選択肢の解説】 1. 幻視 ❌ 誤り。視覚幻視(特に人物や動物の具体的な幻視)はレビー小体型認知症の特徴的症状であり、アルツハイマー型では稀である。DBLでは視覚皮質の早期障害によって、初期段階から幻視が出現する。 2. 物盗られ妄想 ✅ 正しい。アルツハイマー型認知症の特徴的症状である。記憶障害によって物を置いた場所を忘れ、「自分の物が盗まれた」と妄想する。特に進行段階では多く見られ、介護の際の対応が課題となる。 3. レム睡眠行動異常 ❌ 誤り。レム睡眠行動異常(RBD)はレビー小体型認知症の非常に特徴的な症状である。これは夢の内容に応じた激しい行動を睡眠中に示す現象で、DLBでは90%以上で認められる一方、ADでは稀である。 4. パーキンソン症状 ❌ 誤り。パーキンソン症状(動作緩慢・寡動・筋固縮・静止時振戦)はレビー小体型認知症の中核症状の一つであり、認知機能低下と同時期または前駆して出現する。ADでは通常見られない。 5. 認知機能の変動 ❌ 誤り。認知機能の日内変動や時間帯による症状の変動(変動性)はレビー小体型認知症の特徴であり、患者の理解度が刻々と変わるため介護の難度が高い。ADでは比較的安定した認知低下を示す。 --- 【試験対策ポイント】 | 特徴 | アルツハイマー型 | レビー小体型 | |---|---|---| | 初発症状 | 記憶障害 | 認知機能の変動またはパーキンソン症状 | | 特徴的妄想 | 物盗られ妄想 | — | | 特徴的幻視 | 稀 | 具体的視覚幻視(人物・動物)◎ | | パーキンソン症状 | 稀 | あり(50%) | | レム睡眠行動異常 | 稀 | あり(90%) | | 認知機能 | 進行性・安定 | 著しく変動 | | MRI所見 | 海馬萎縮 | 相対的に軽微 | | 病理 | アミロイド・タウタンパク | レビー小体 | 関鍵ワード:AD=記憶→物盗られ妄想 / DLB=視覚障害→具体的幻視、運動障害→パーキンソン症状、睡眠障害→RBD、変動性
関連

▶ 第21回 全問一覧

▶ 臨床神経学 の過去問一覧