第21回 言語聴覚士国家試験 第16問
形成外科学第21回
軟口蓋の口腔側と鼻腔側に相対するZ形成を施し、軟口蓋の延長をはかる口蓋裂の手術法はどれか。
- 1.ミラード(Millard)法
- 2.マリケン(Mulliken)法
- 3.プッシュバック(push back)法
- 4.ファーロー(Furlow)法 ✓
- 5.アッベ(Abbe)法
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ファーロー(Furlow)法
軟口蓋の口腔側と鼻腔側に相対するZ形成を施し、軟口蓋を延長する手術法はファーロー法です。この方法により軟口蓋の長さが増加し、咽頭への挙上がより効果的になるため、特に音声・嚥下機能の改善が期待できます。
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【各選択肢の解説】
1. ミラード(Millard)法
❌ 誤り。ミラード法は口唇裂の一次修復に用いられる方法で、鼻梁の形成や口唇の初期的な修正を行います。軟口蓋延長を目的としていません。
2. マリケン(Mulliken)法
❌ 誤り。マリケン法は口唇裂修復(特に異なる時期の修復アプローチ)や組織の再配置を基本とする方法ですが、軟口蓋のZ形成による延長手術ではありません。
3. プッシュバック(push back)法
❌ 誤り。プッシュバック法は軟口蓋を後方に移動させることで延長効果を狙う従来の手術法ですが、Z形成を用いません。骨膜下に剥離して後方に押す単純な方法です。
4. ファーロー(Furlow)法
✅ 正しい。ファーロー法は口腔側と鼻腔側に相対するZ形成を施すことで、軟口蓋の実質的な延長を実現します。プッシュバック法よりも効果的な延長が可能とされています。
5. アッベ(Abbe)法
❌ 誤り。アッベ法は下唇・下顎部の皮弁を利用する口唇裂修復法で、軟口蓋の手術とは無関係です。
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【試験対策ポイント】
口蓋裂手術法の特徴整理:
| 手術法 | 対象部位 | 特徴 | 効果 |
|---|---|---|---|
| ファーロー法 | 軟口蓋 | 口腔側・鼻腔側にZ形成 | 実質的延長 |
| プッシュバック法 | 軟口蓋 | 骨膜下剥離+後方移動 | 部分的延長 |
| ミラード法 | 口唇 | 初期的修正・鼻梁形成 | 一次修復 |
| マリケン法 | 口唇・他 | 組織再配置 | 複合的修正 |
| アッベ法 | 口唇下部 | 下唇皮弁利用 | 唇部再建 |
重要:Z形成による軟口蓋延長はファーロー法の最大の特徴。プッシュバック法との比較問題では「Z形成の有無」で即座に判別可能です。