STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第151問

言語聴覚障害総論第21回
誤っている組み合わせはどれか。
  1. 1.Baddeley.A.D. ― 頭部挙上訓練 ✓
  2. 2.Darley,F.L. ― 運動障害性構音障害
  3. 3.Van Riper,C. ― 吃音進展過程
  4. 4.Bĕkĕsy,G. ― 自記オージオメトリー
  5. 5.笹沼澄子 ― 失語症鑑別診断検査

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — Baddeley,A.D. — 頭部挙上訓練 Baddeley は「ワーキングメモリ」の理論体系を構築した認知心理学者です。一方、頭部挙上訓練(頭部挙上運動)はOropharyngeal dysphagia対策として知られていますが、提唱者はBaddeley ではなく Shaker による研究が有名です。他の4組は、各研究者と彼らの業績が正しく対応しています。 --- 【各選択肢の解説】 1. Baddeley,A.D. — 頭部挙上訓練 ❌ 誤り。Baddeley は認知心理学領域で「ワーキングメモリモデル」の第一人者です。頭部挙上訓練(頭部挙上運動)は咽頭期の嚥下改善訓練として知られていますが、これは Shaker の研究に基づくものであり、Baddeley の業績ではありません。 2. Darley,F.L. — 運動障害性構音障害 ✅ 正しい。Darley は Mayo Clinic に属する音声言語病理学者で、運動障害性構音障害(dysarthria)の分類体系(痙性・弛緩性・失調性・運動低下性・混合性の5分類)を確立したことで知られています。 3. Van Riper,C. — 吃音進展過程 ✅ 正しい。Van Riper(ヴァンライパー)は吃音研究の世界的権威で、吃音の進展過程に関する古典的な理論を提唱しました。これは吃音の病態理解における重要な枠組みとなっています。 4. Békésy,G. — 自記オージオメトリー ✅ 正しい。Békésy(ベーケシー)はノーベル賞受賞者で、聴覚生理学者です。彼が開発した自記オージオメトリー(Békésy audiometry)は、聴力検査の自動記録法として標準化されています。 5. 笹沼澄子 — 失語症鑑別診断検査 ✅ 正しい。笹沼澄子は日本の言語聴覚士で、失語症の評価・診断に関する検査法(失語症鑑別診断検査など)を開発した重要な研究者です。 --- 【試験対策ポイント】 研究者と業績の対応を整理する際の注意点: | 研究者 | 本来の業績 | 紛らわしい点 | |---|---|---| | Baddeley | ワーキングメモリ(認知心理学) | 嚥下訓練とは無関係 | | Darley | 構音障害の分類(Mayo分類) | 音声言語病理学の基礎 | | Van Riper | 吃音進展過程の理論化 | 吃音治療・評価の古典的枠組み | | Békésy | 自記オージオメトリー開発 | 聴覚生理学の最重要人物 | | 笹沼澄子 | 失語症鑑別診断検査 | 日本における失語症評価の開拓者 | 頭部挙上訓練の提唱者:Shaker らによる嚥下機能改善研究が有名
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