第21回 言語聴覚士国家試験 第153問
言語聴覚障害総論第21回
エビデンスレベルが最も高い研究法はどれか。
- 1.症例研究
- 2.横断研究
- 3.相関研究
- 4.ランダム化比較研究 ✓
- 5.非ランダム化比較試験
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ランダム化比較研究
ランダム化比較研究(Randomized Controlled Trial: RCT)は、被験者を無作為に介入群と対照群に振り分けることで、選択バイアスを排除し、因果関係を最も強力に証明できる研究法です。エビデンスレベルの国際的階級制度では、RCTは1a(複数のRCTのメタアナリシス)と1b(個別RCT)が頂点であり、医学的根拠として最も信頼性が高いとされています。
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【各選択肢の解説】
1. 症例研究
❌ 誤り。1症例または少数症例の詳細な臨床経過を記述するもので、エビデンスレベルは最も低い(4~5)。仮説生成には有用ですが、因果関係の証明には不適切です。
2. 横断研究
❌ 誤り。特定の時点での集団の状態を断面的に調査する研究で、エビデンスレベルは3程度です。時間的な因果関係を証明できないため、RCTより劣ります。
3. 相関研究
❌ 誤り。2つ以上の変数間の関連性を調べる観察研究で、エビデンスレベルは3程度です。相関は因果を証明しないため、最高レベルの証拠ではありません。
4. ランダム化比較研究
✅ 正しい。無作為割り付けにより、測定されない交絡因子の影響を最小化し、介入の効果を因果的に評価できます。エビデンスレベルは1b~1aであり、医学研究の黄金標準とされています。
5. 非ランダム化比較試験
❌ 誤り。割り付けを無作為化しないため、選択バイアスが残存し、交絡因子の影響を完全に排除できません。エビデンスレベルは2程度に留まります。
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【試験対策ポイント】
エビデンスレベル(国際的階級制度)
| レベル | 研究デザイン | 特徴 |
|---|---|---|
| 1a | メタアナリシス(複数RCT) | 最高レベルの根拠 |
| 1b | 個別ランダム化比較研究 | 厳密な因果関係証明 |
| 2a | 準実験研究(非ランダム化) | 選択バイアスの懸念 |
| 2b | 個別コホート研究 | 縦断性だが観察的 |
| 3 | 横断研究・相関研究 | 因果関係を証明できない |
| 4 | 症例研究・専門家意見 | 仮説生成段階 |
| 5 | 背景知見・実験的証拠 | 参考情報 |
重要な区別ポイント:
・RCTの肝:「無作為割り付け」によるバイアス排除
・非ランダム化比較試験:「比較」はしているがバイアスが残る
・横断研究と縦断研究の違い:時間方向の有無(因果関係と無関係)
・言語聴覚病理学では、標準化療法の有効性を示す場合、RCTの根拠が要求される